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サイバー文明論 持ち寄り経済圏のガバナンス
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サイバー文明論 持ち寄り経済圏のガバナンス

國領二郎(著者)

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サイバー文明論 持ち寄り経済圏のガバナンス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日経BP/日経BPマーケティン
発売年月日 2022/05/18
JAN 9784296113415

サイバー文明論

¥2,200

商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2023/01/17

# 現代のサイバー文明を多方面から的確に評論した一冊 ## 面白かったところ - 農耕文明、近代工業文明を現代のサイバー文明と比較した上で、昨今の世の中が行き詰まっている理由が目から鱗で面白い - 何気なく無料で利用している身近なサービスが流行っている理由、がただのレバレッ...

# 現代のサイバー文明を多方面から的確に評論した一冊 ## 面白かったところ - 農耕文明、近代工業文明を現代のサイバー文明と比較した上で、昨今の世の中が行き詰まっている理由が目から鱗で面白い - 何気なく無料で利用している身近なサービスが流行っている理由、がただのレバレッジではなく指数関数的なネットワーク外部性が効いているという点に合点がいった - サイバー文明ではどんな人でも追跡可能になるため、適切な報酬体系と権限を設計した上で、アクセス権付与モデルがベースになるという考察に深く納得した ## 微妙だったところ 特になし ## 感想 2023年一発目に手を出した本としては、最高に面白かった。いいスタート。 個人情報をうまく使えているという点では、中国モデルが優れているそうだ。国家というこの上ない管理者が国民の個人情報をシビアに管理し、ときに公共政策に対しては大胆に活用していくモデルである。 社会格差是正の1つの方法として、最優先・第二優先・第三優先と区切ることができるらしく、この考え方が面白いと思った。 LINEを例に出すと、 最優先のユーザーは、ライフラインユーザーある。東日本大震災のような緊急時に、膨大なトラフィックを捌ける必要があるし、行政の手続きもできる。もちろん国からの補助なども受けるだろう。 第二優先のユーザーは、民間で資本を出してでも優遇してほしいユーザーで、例えばスタンプやきせかえ・広告非表示に課金をするような層である。このユーザが出資することでサービスとしての基盤が大きくなる。 第三優先のユーザーは、第二優先のユーザによって整備された設備や余剰に乗っかるユーザーである。我々が何気なくチャットしたり、通話したりできるのは言うまでもない。 最近リリースされたTwitter Blueなんかは専ら第二優先のユーザー向けのサービスだなあと思った。 今後どのようなサービスも大きくこんな感じに区切れるようなサービスがプラットフォーマーになり得るし、官民共に手を取り合って国際競争力を高める1つの手かもしれない。 面白いトピックが多すぎて感想は書ききれないから、色んな人に薦めたい。

Posted by ブクログ

2022/10/16

インフラとしてのインターネットが地球の隅々にまで行き渡り、便利な道具としてだけでなく、意思決定などにも強い影響を与えるようになっている。これをサイバー文明と表現されているがまさにそれだという感じ。ビジネスの勝ち筋を変化させる4つの構造変化やそれに伴う「所有権から利用権へ」という流...

インフラとしてのインターネットが地球の隅々にまで行き渡り、便利な道具としてだけでなく、意思決定などにも強い影響を与えるようになっている。これをサイバー文明と表現されているがまさにそれだという感じ。ビジネスの勝ち筋を変化させる4つの構造変化やそれに伴う「所有権から利用権へ」という流れ、倫理と統治、民主主義に至るまで、「今と未来」と理解する基本情報としてとても参考になる一冊。

Posted by ブクログ

2022/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

デジタル技術が広く生活に浸透した今日、我々は近代工業文明に代わり「サイバー文明」とも呼べる時代に足を踏み入れている。では、改めて文明論の背景にある哲学まで遡り、今後あるべき経済の姿を描くべきではないか、暗に従来の文明における前提を引き摺り、「サイバー文明」を語るが故に様々な矛盾が生じているのではないか、という問題意識を起点にした一冊。 特にキーとなる技術の説明等も記載されており、特に認識相違なく読み進めることができたが、やや抽象度の高い情報処理を求められるため、具体論で理解が及ばない点も多分にあった。自分なりに本書をサマライズすると以下の通り。 ・ネットワーク外部性により、データは集合・結合することで更なるユーザーの利便性をもたらす(例:SNS) ・様々な技術の相互作用により、デジタル技術が併せ持つ「ゼロマージナルコスト」「トレーサビリティ」等も特徴も相まって、データ集積の傾向は更に加速している ・一方、プラットフォーマーによる、ユーザーの利益と相反する行動(例:広告主向けの個人データ提供)が欧州を中心に問題視され始め、本来集合・結合によって大きな価値をもたらすデータが、個人情報保護の名のもと、分断され始めようとしている ・データの価値最大化という観点では、中国のように厳密な国家統制を敷き、国民のデータを管理する方法も一定親和性があるように考えられるが、独裁政権によるデータコントロールは別の問題を生む可能性も多分にあり、是認しにくい ・では、西洋を中心とする個人主義といきすぎた統制を敷く近隣国家の間でどのようなデジタル経済を描けばよいのか。そこで注目したのが、東洋的な倫理観である ・西洋と比較し、相対的に利他主義である東洋において、例えば他者の利便性のためにデータを提供する(例:医療データ)という考え方を持つことはできないだろうか。個人主義であり、データ使用に許諾を前提とする西洋と異なる考え方を用いることで、従来の近代工業文明の前提とアラインしつつ、現実に即した「文明論」を論じることができるのではないか ・データを取扱い、ユーザーに価値を創出する主体として、今後もプラットフォーマーの存在感は強さを維持すると考えられる。一方、前述の通り、プラットフォーマーは様々な問題を指摘されている ・では、今後どうするべきか。「許諾」に基づくデータ開示ではなく、「信頼」に基づくデータ提供、ひいては社会への価値貢献(及び価値貢献している実感)を実現できるガバナンスの設計ブロックチェーン等の技術開発/新たなビジネスモデル開発等が必要ではないか ・「データ提供による他者への貢献」という意識を持ち、「信頼できる主体にデータを開示する」ことにより、信頼を持つプレイヤーひいてはプラットフォームに「データが集積」され、社会に対する価値が最大化される。改めてデジタル技術の特徴/利点および経済の在り方を再考し、東洋的な倫理観(利他主義等)を援用することで、無理なくデータ活用を進められるのではないか

Posted by ブクログ

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