商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/05/13 |
JAN | 9784065280362 |
- 書籍
- 文庫
瓦礫の死角
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瓦礫の死角
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
西村賢太2冊目。べらぼうにおもしろい。 なんだろう、本人はいたって深刻なのにどうしようもなく滑稽なモノローグの味がとても好きだ。 「崩折れるにはまだ早い」はオッ、そういうのもあるのか…と思った。
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本の題名になっている「瓦礫の死」も面白かったが、僕としては西村賢太さんが師と仰いでいる藤澤清造氏の事を小説にした「四冊目の『根津権現裏』」や「崩折れるにはまだ早い」、そして西村賢太さん自身で書かれた「あとがき』が優作だとおもった。 今回もやはり西村賢太ワールドに引き込まれてしまっ...
本の題名になっている「瓦礫の死」も面白かったが、僕としては西村賢太さんが師と仰いでいる藤澤清造氏の事を小説にした「四冊目の『根津権現裏』」や「崩折れるにはまだ早い」、そして西村賢太さん自身で書かれた「あとがき』が優作だとおもった。 今回もやはり西村賢太ワールドに引き込まれてしまった。
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相も変わらず露悪的な短篇集。いい歳した高齢フリーターを蔑む若者といった視点は悪いなぁと思いつつ、大学時代の自分がバイト先で抱いた薄汚い気持ちそのものであり、自分が綺麗な人間ではないことをまざまざと感じさせてくれる。 自分を一般化するわけではないが、コンプライアンスだ何だとどん...
相も変わらず露悪的な短篇集。いい歳した高齢フリーターを蔑む若者といった視点は悪いなぁと思いつつ、大学時代の自分がバイト先で抱いた薄汚い気持ちそのものであり、自分が綺麗な人間ではないことをまざまざと感じさせてくれる。 自分を一般化するわけではないが、コンプライアンスだ何だとどんどん煩くなっている世の中で、人間の本当の姿を垣間見させてくれる短編なのかもしれないな·····と感じた。自分の矮小さを存分に味わうこともできずに、何ができるというのだろう。 同著者が芥川賞を取ったばかりに読んでいた頃には、そんな感想を抱くことはなかった。自分が変わったのか世の中が変わったのかは分からない。 最後の短編は、普段の私小説とはひと味違う変化球。この人が書くいつもと違う変化球小説を、もっと味わってみたかった。帯に書かれる追悼の文字と著者の笑顔の近影のせいで、梅雨明けなのに晩夏のような物悲しさに襲われた。ご冥福をお祈りします。
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