商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2022/03/08 |
JAN | 9784167918460 |
- 書籍
- 文庫
幕府軍艦「回天」始末
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幕府軍艦「回天」始末
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
戊辰戦争において、北海道で新政府軍と戦いを続けた榎本武揚の旧幕府軍。彼らの主力というか強みは海軍にあり、その中の一隻が表題にある「回天」。始末とあるのは、榎本海軍の始末ですね回天一隻の話ではなく。その回天の一世一代の見せ場が「宮古湾海戦」。 海軍主力だったはずの「開陽」が箱館攻...
戊辰戦争において、北海道で新政府軍と戦いを続けた榎本武揚の旧幕府軍。彼らの主力というか強みは海軍にあり、その中の一隻が表題にある「回天」。始末とあるのは、榎本海軍の始末ですね回天一隻の話ではなく。その回天の一世一代の見せ場が「宮古湾海戦」。 海軍主力だったはずの「開陽」が箱館攻略中に座礁沈没してしまったのが、ケチのつきはじめという気がします。そして、戦争している以上仕方がないとはいえ、無謀な出航が多かったようにも感じました。榎本海軍の作戦行動において、十全とは言わないまでも、全うしたのは回天だけなような気もしてしまう。天地人のうち、天を味方につけられなかった。これでしょうか。 「甲鉄」が新政府軍にある、ということもあり、北海道に引きこもっているだけでは勝利することはできない、という戦略的理由もあっての奇襲作戦「宮古湾海戦」。 これが成功していたら戊辰戦争はどうなっていたのか、を考えてみるも、ただずるずると内戦が長引いていただけで、何もなさなかったのではないかと思うのだけど、どうでしょうね。外国からの応援もなかっただろうしなぁ。フランス武官が帯同していとはいうものの、勝手に乗り込んでいるだけで、命令違反のようなものだったらしいですし。 エンタメの点で見ると、魅力的ではありますが。覆面奇襲、接舷のち抜刀突撃、というのはね。 エンタメとして、戦争に参加した武士、軍人の記録を描くのでなく、地元の人々との関わりを記録しているのが、読んでいて新鮮です。 妓楼での金払いゆえの人気の有無や、戦後の影響など取材あっての描写。まだ、記録出なくて記憶が残っているから、できたことでしょう。「和宮様御留」でも感じましたが、歴史上の出来事が、記憶として触れることができるのは幸福だと思います。後世に残してゆくための資料として。 表題と「牛」の2編が収録されている本作。 「牛」は薩摩藩領・宝島において外国船との接触を描いた短編。異国船打払令のきっかけになったという事件だそうです。おそらく、このような長崎の事件や各地の事件が重なってのことなんでしょう。 まあ、いきなり訪れて攻撃略奪となれば、撃退すべし、となるのはわからないでもない。言葉のわからない中、なんとか交渉しようとする様は臨場感と必死さがありました。
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明治初期の宮古湾海戦、「事実主義」の作品。 さすがの吉村昭。なんでだろう‥臨場感が半端なくて一気読みでした。
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いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本。吉村昭さんは私の好きな作家のひとりです。 本書は、幕末から明治維新期が舞台、函館に渡った旧幕府軍と新政府軍との一連の戦いにおけるエピソードのひとつを取り上げたものです。 精緻な取材に基づくノンフィクションですが、「表現者...
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本。吉村昭さんは私の好きな作家のひとりです。 本書は、幕末から明治維新期が舞台、函館に渡った旧幕府軍と新政府軍との一連の戦いにおけるエピソードのひとつを取り上げたものです。 精緻な取材に基づくノンフィクションですが、「表現者」としての吉村さんの非凡な筆力をそこここに認めることができます。
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