商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2022/02/25 |
JAN | 9784087880694 |
- 書籍
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うまれることば、しぬことば
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うまれることば、しぬことば
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商品レビュー
3.5
20件のお客様レビュー
まず冒頭ページで、あれ?と。「~なのです」と「思われる」が常体と敬体が混在しており気持ち悪い そして、全体として気軽に語られている明るい文体なのにときおり「~と言えましょう」などと、小難しい説明文のような文が出てくる違和感。 あれれ?「負け犬の遠吠え」は読んだことがないけど、...
まず冒頭ページで、あれ?と。「~なのです」と「思われる」が常体と敬体が混在しており気持ち悪い そして、全体として気軽に語られている明るい文体なのにときおり「~と言えましょう」などと、小難しい説明文のような文が出てくる違和感。 あれれ?「負け犬の遠吠え」は読んだことがないけど、バサっとした切り口が小気味良い文章を書くひとだと認識していたのに、しかもこれ、言葉の本なのに、残念 同年代と思われるので書いてあることにはいちいち納得、同調できるところあまた。でも最後まで読むにはちょっとしんどかった。 図書館で借りたけれど、4分の1も読まずに返してしまった。
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私たちが何気なく聞き流している言葉を分かりやすく事例を示し深掘りしてくれた本で大いに楽しめた。 “「ケア」という言葉についても、私は今一つその実態を理解していません。何かをカタカナ語で言われると分かっていないのに分かったつもりになる事がしばしばありますが、「ケア」にしてもそうなの...
私たちが何気なく聞き流している言葉を分かりやすく事例を示し深掘りしてくれた本で大いに楽しめた。 “「ケア」という言葉についても、私は今一つその実態を理解していません。何かをカタカナ語で言われると分かっていないのに分かったつもりになる事がしばしばありますが、「ケア」にしてもそうなのです。 何かを助けたり面倒をみたり気にかけたりというイメージが「ケア」にはありますが、それは生きるか死ぬかという時に使う言葉では、なさそうです。 人命の「ケア」とは言いませんが、「毛穴のケア」「キューティクルのケア」など、「何もしなくても今すぐどうこうということはないが、大切に扱ったほうが長い目で見た時に良い」という対象にほどこすのが「ケア」なのか。すなわち「治療」や「救助」まではいかない、その手前にある手助け全般が「ケア」という印象です。“ 上記はやたらカタカナ英語を使い、何となくわかった気分になっている私への警鐘になった。 ”勇気をもらった”、”感動をもらった”、という“もらった”は日本文化の贈答文化と関係している、なのでもらったらお返ししたくなるもの。 ”彼”、”彼女”という言葉の起源も初めて知った。元来、“彼”はあれという意味で人にも物にも使用されていたそうだが英語のsheに習い“女”をつけて“彼女”と言う言葉が出来たそうだ。実際、大正頃迄の小説には女性を彼と記していた作品もあったらしい。 芸能人の不倫のニュースを見て世間の皆様に“ご迷惑”と”ご心配”をかけたことを深くお詫び致しますと謝罪会見に言われると著者は不倫有名人から謝られる筋合いは全く無く、こちらとしては不倫報道によって大いに楽しませてもらっているし、その人から迷惑もかけられてはいない。 謝罪会見とは江戸時代における市中引き回し同様、悪事を犯した人を見たいという世間の欲求を充足させるために行われるイベント、人々は不倫が世に知られてしまった人の姿を見てこの人に比べたら自分はなんと正しく生きていることだろうと満足したり、「危ない危ない、自分も気をつけなければ」と気を引き締めたりする。 スポーツの世界の”そうですね”は相手が言ったことを肯定しつつ、回答の為に少しの猶予を求める為の言葉。 ”ね”は寂しがり屋なので常に相手の反応を欲している。「これ美味しいね」と誰かがいった時に求められているのは「うん」ではなく、「美味しい」でもなく「美味しいよね」という返答。”ね”には”ね”を返してほしいと期待して、発言主は”ね”を使用している。共感を大切にする生き物である女性は特に”ね”を多用する傾向にある。 末尾のあとがきも興味深かった。“ハンサム”は”イケメン”に取って代わり”超〇〇”という言い方は”めっちゃ〇〇”の勢いに凌駕されたた。 今、我々が使用しているのは、生死を繰り返す言葉の残骸が堆積してできた分厚い層の、ほんの表面部分でしかなく、言葉は生まれ変わり続けるということがわかった 著者の視点、知識、分析に脱帽した良書であった。
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うまれることば、しぬことば 酒井順子 ∞----------------------∞ たったひとつの言葉で、ここまで追求できるのかと感心した。色んな方向から物事を見ようと思っているのだけど、私はまだまだ浅いなと思う。 ここから長いです。 ●「J」は「日本」よりもかっこよく爽やかに感じてもてはやされたが、今では軽く見られてしまうという存在に。 ●以前は自然に流されて出来たことを「活動」するようになった。「〇〇活」はプレッシャーも与えるが「活きる」と思って気軽に捉えよう。 ●実質クビでも「卒業」と言われる時代。相手を思うと言うよりも、言い難いことを曖昧にしてしまっている残酷な言葉。 ●「男らしく」「女らしく」と言われてきた世代よりも「そのままでいい」と育てられた世代の方が「自分らしさ」を追求する。 ●自分の感情や気づいたことすら人からもらったことにしたい。「分かった」ではなく「分かりみが深い」は曖昧。 ●「負けるな」「強くなりたい」など正義に我ありと思うことと、コロナを戦争と見なす感覚は同じ。 ●「日本三大〇〇」や諺、慣用句に多く用いられる「三」。「二」では少なすぎ「四」では多すぎる。人は3人集まると社会になる。 ●「黒人の人」と「白人」、「男」「女」と「男性」「女性」。長くすると柔らかく聞こえる。「外人」ではなく「外人さん」。「さん」をつけ、ラッピングして当たり障りなくする。 ●「根暗」の生みの親はタモリ。「陰キャ」はキャラクター性であり性格ではない。「陽キャ」で「根暗」もいる。バブル前後で「暗」や「陰」の価値が変わった。 ●紫式部日記や枕草子の頃の「映え」は着物の色や髪など。現代は見かけこそが大事と認識され「映える」対象も変わり、羞恥心も薄れてきている。 ●以前は「女優」「女医」など女という但し書き付き。今では男性と同じ呼称になったが「〇〇女子」など別の言葉が増えてきている。カテゴライズ行為はその中のものを平板化してしまう。 ●「新」が登場すると古いものがダサく見える。「新〇〇」も摩耗するが付けずにいられない。好意的に捉えられるまで20年。半腐れが古い。 ●人の言葉は嘘でできているから「本当」をつけなければ信じてもらえない「ありがとう」。「本当の〇〇を知っているか」は実際大したことがない。 ●「生きづらい」原因は他者にあり自分は被害者という傾向がある。 ●言いきれない言葉にべんりな「よう知らんけど」「あくまで個人的な意見ですが」など曖昧にする表現が多様にある。しかし説得力のある言い切りに憧れも抱く。 ●「ウケる」は受け取るの意。ウケを狙って失敗した政治家の多いこと。 ●歌詞の中の女性に「おまえ」と呼び男性を「あんた」と呼んでいた頃。今では乱暴で雑な響きだが、今の歌詞にある「君」「あなた」を使う訳でもない。「You」の便利さ。 ●セクハラ元年より前と後で生まれた人たちの「〇〇ハラ」に対する受け止め方の違い。オシャレに知的に怒るムーブメント。 ●自分の言った言葉が非難され「言葉狩りに合う」のが怖いとは、新ルールに対応できない古い人間と思われるが、今問題ないと思っている人も時代が進めば自分もそうなる。 ●かつては核家族化を嘆いていたが、今は1人の方が気楽で幸せ。それが当たり前になり、今度は寂しいと言いづらくなる時代に。 ●「ご迷惑とご心配」「ご指導とご鞭撻」「ご理解とご協力」「ご健勝とご多幸」セットされた定型文。本来の意味を分からず使っていないか? ●スポーツのルーティンのように使われるインタビューの一言目「そうですね」は和歌の枕詞に近い。「ね」は「ね」で返す。「ね」だけで通じる会話。 ● 英語はユニセックスな言葉で、ジェンダー問題から字幕の女性の言葉遣いが変わり、字幕だけでは男か女か分からなくなった。「わよ」「のね」など。日本語は女用文字のかながある。 2024/03/28 読了(図書館)
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