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食卓の上の韓国史 おいしいメニューでたどる20世紀食文化史
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食卓の上の韓国史 おいしいメニューでたどる20世紀食文化史

周永河(著者), 丁田隆(訳者)

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食卓の上の韓国史 おいしいメニューでたどる20世紀食文化史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 慶應義塾大学出版会
発売年月日 2021/12/17
JAN 9784766427844

食卓の上の韓国史

¥3,740

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2022/09/17

けっこうな厚さの本で、韓国近代の食文化を詳しくまとめてある。一時的に流行したり一般的なメニューだったものが廃れたり名前が変わったりしているのに驚いた。昔から食べられていたんだろうと思っていたものが一般的になったのがわりと新しいという例も。たとえば、あさりカルグクスが1980年代以...

けっこうな厚さの本で、韓国近代の食文化を詳しくまとめてある。一時的に流行したり一般的なメニューだったものが廃れたり名前が変わったりしているのに驚いた。昔から食べられていたんだろうと思っていたものが一般的になったのがわりと新しいという例も。たとえば、あさりカルグクスが1980年代以降のものだなんて! 日本でも同じように食の栄枯盛衰があるのだろうけど、けっこうな速さで韓国らしいとも思う。一方でこうした食の変遷の裏には、日本の植民地だった時期があり、世界の最貧国としてアメリカから小麦の援助を受けたり、朴正煕政権下でさまざまに制限を受けたりと、食文化という「文化」が政治的なものに左右されてきたことを思わせるものでもある。こういうところにも韓国の過酷さとたくましさを感じる。 また、食は人がつくる形のない文化というものでもある。この本では料理の発祥がまことしやかに書かれていて、なるほどと思い正しい知識を仕入れた気になっていたけど、その読み方はよろしくないみたい。あとがきで著者は「正直に言えばわたしは本書を終えるにあたり、恐怖を感じている。本書で明らかにした食の歴史が、もしや読者にとっての「正解」になってしまわないか、という憂慮のせいである。 わたしは本書に先行する『飲食人文学』で、「食事そのものは日常だが、文化・歴史としての食は人文学だ」と書いた。文化・歴史にはけして正解などありえず、それを解釈するさまざまな視線があるだけだ。その視線に隠された政治・経済的な含意を明らかにする作業こそ、わたしの目指す「批判的な食の研究」である。しかしながら、食を歴史と化し、歴史を正解と考える風土は、社会一般と学界とを問わず、頑強に広がっている。だからこそよけいにおそろしいと思う。本書は、韓国の食の歴史に正解を提示するものではなく、ただ、食を通じて韓国社会を知る視点を提案したにすぎない。」(p.391)と書いていて卓見だと思う。

Posted by ブクログ

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