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老いと死をめぐる現代の習俗
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老いと死をめぐる現代の習俗
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1. はじめに 本書は日本の死生観や習俗に関する分析を行い、特に「ぽっくり信仰」や「嫁いらず信仰」といった土俗的な信仰を中心に展開されている。これらの信仰は、地域社会や家族構成、福祉などに関わる重要な要素として位置づけられ、民俗宗教の視点から考察される。 2. ぽっくり信仰 2...
1. はじめに 本書は日本の死生観や習俗に関する分析を行い、特に「ぽっくり信仰」や「嫁いらず信仰」といった土俗的な信仰を中心に展開されている。これらの信仰は、地域社会や家族構成、福祉などに関わる重要な要素として位置づけられ、民俗宗教の視点から考察される。 2. ぽっくり信仰 2.1 定義と実態 「ぽっくり信仰」は、急激に死に至ることを願う信仰であり、長患いを避けることを目的としている。この信仰に関連する習俗は、地域によって異なるが、商業主義に絡みついた土俗的呪法が見られる。例えば、特定の下着を身につけることで安楽往生を願うといった実践がある。 2.2 社会的背景 本書では、ぽっくり信仰が地域社会や家族の関係性にどのように影響を与えるかを考察している。特に、介護に対する否定的なスタンスや、老いを受け入れない文化がこの信仰に反映されている点が強調される。 3. 嫁いらず信仰 3.1 概念と類型 「嫁いらず信仰」は、特定の条件下で結婚を避ける信仰であり、現地調査から三つの類型に分類される。これらの信仰は、女性の社会的役割や家族の構成に深く関わっている。 3.2 介護と相続問題 嫁いらず信仰は、介護や相続に関する問題とも密接に関連しており、家族の中での役割分担や責任に影響を与える。 4. お供えと蔭膳 4.1 お供えの意味 「お供え」は、故人への感謝や供養の表現として行われ、食事を通じた共食の概念が含まれる。この習俗は、故人とのつながりを感じるための重要な行為として位置づけられている。 4.2 蔭膳の実践 蔭膳は、故人の好物を用意して共に食事をすることで、死者との精神的な交流を図る行為である。この行為は、故人を身近に感じるための重要な要素となっている。 5. 墓参りの習俗 5.1 墓参りの意義 墓参りは、生者と死者の関係を深めるための重要な行為であり、地域によってその形式や意味が異なる。特に、合葬墓地の増加や公園化の進展が指摘され、生者と死者の関係性が変化していることが示されている。 5.2 墓前飲食の実態 「墓前飲食」とは、墓前で食事を共にする習俗であり、死者を思い出し、共に過ごすことの重要性が強調されている。この習俗は、地域社会のつながりや共同体意識を反映している。 6. 終章 本書では、死生観や習俗が人々の生活に与える影響を考察し、現代社会における高齢者の位置付けや、その背後にある文化的な要因が明らかにされている。特に、介護や老いに対する社会的な視点が重要視され、それらがどのように信仰や習俗に影響を与えているかが探求されている。 7. おわりに 本書は、現代社会における死生観や信仰の変化を考える上で、重要な視点を提供している。特に、地域社会における習俗の実態やそれに伴う価値観の変化を理解することが、今後の高齢者福祉や地域社会の在り方を考える上で不可欠であることが示唆されている。
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