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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2021/11/17 |
JAN | 9784065261538 |
- 書籍
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盟約の少女騎士
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盟約の少女騎士
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
陸秋槎は、信頼できるミステリと百合の書き手だと思っていて、そういう先入観で読み始めた。ただ、確かに謎解きはあるし、百合的要素はそこかしこに散りばめられているものの、あまりそのモチベーションで読み進めない方が良かったかなと思った。以下、感想をざっくりと述べた後に、コメントにて、色...
陸秋槎は、信頼できるミステリと百合の書き手だと思っていて、そういう先入観で読み始めた。ただ、確かに謎解きはあるし、百合的要素はそこかしこに散りばめられているものの、あまりそのモチベーションで読み進めない方が良かったかなと思った。以下、感想をざっくりと述べた後に、コメントにて、色々と考えたことについても記したいと思う。 本作で特に面白かったのは、百合やミステリよりもむしろ、世界設定の方で、メインとなる事件もそれに絡んでいるのみならず、面白い問題が沢山定期されていたように思う。逆に言えば、魅力的な素材の多くは仄めかされるに留まることも多く、それがもどかしく感じることもあった。 広げた風呂敷や面白そうなトピックを回収し切らないというのは、物語についても言えることで、大きな事件を解決こそするものの、キャラクターの関係性の行き先という点では全く決着を迎えていない。主人公サラの結んだ関係は中々思う方向に進まず、いずれも未消化のまま幕引きを迎えたように思う。続編の構想があるなら是非読みたいし、これで完結であれば、少し腑に落ちない感じがする。ただ、『文学少女対数学少女』『元年春之祭』などの過去作も、決して関係が上手く結実する小説とは言えず、こういう結末を好む作家なのかも知れない。 恋愛的に結ばれることだけが百合であるというスタンスを僕は取らないけど、どういう関係を描くにしろ、もう少し帰結を見たかったというのが正直な感想だ。また、ミステリ的な読み方をするならば、ハウダニットをひもとくようなシチュエーションはないものの、一応ワイダニットとフーダニットは明かされる形になるだろう。 設定が緻密であるだけに、本作の固有名詞は非常に多い。ただし、目を皿のようにして読んだ訳ではないにしても、読み進めていくうちに段々と勢力図が頭に入っていくので、(完全に把握しきれたかはともかく)意外と苦にならない。序盤で一度、(上手いやり方かは賛否あるだろうが)勉強会のような形で、歴史とそれを踏まえた現状、(個人的に疑問だった)騎士団の存在意義について、ざっくりと触れていくのも、理解の助けになった。私的には、そうやって世界のあり方が明かされ始めた辺りから、ぐっと惹き込まれたように思う。 武器にバリエーションがあったりと、ともすればライトノベルっぽくなりそうな設定も有しながら、文体か緻密さゆえか、絶妙なバランスで重厚感を醸し出している点もポイント。ラノベが悪いというのではなく、全然好きだけれど。ただ、情景描写や戦闘描写については、素材や建築様式について微細に記したり、淡々と動きが描写されたりと、個人的には却って場面が浮かびにくいと感じたところもあった(自分に向けたメモとしては、抽象的な言葉で読者に想像を委ねたり、心象を綴る方が好みなのかも、とも思う)。 感想を綴っているうちに、物語それ自体よりも、設定や示唆していた内容、そこから考えられることに関して、僕は本作を非常に評価していることに気がついた。ネタバレを多分に含むけれど、コメントにて詳細に記そうと思う。
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陸秋槎の他作品と違い、ファンタジーの要素が濃く驚かされました。 また、異教徒の信仰に関わる謎に迫るといった内容も前作や前々作との違いを感じました。
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