チグリジアの雨

小林由香(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所
• 発売年月日: 2021/10/15
• JAN: 9784758413954

商品レビュー

2024/02/18

イジメの物語

実はピンとこなかった。戦えというメッセージなのかどうかよく理解できなかった。イジメるほうが一方的に悪いと思ってるんだけど、実名公表とかしてイジメ側に厳しくせよという対応では解決にならないんだろうなあ。

2024/02/05

いじめの標的にされたらこんなにも逃場がなくなってしまうのですね。それも自分に原因があるわけでもなく、根も葉もない噂話から始まる事が恐ろしいです。そして誰一人いじめを見ても止めようとしないクラスメイトたち。

いじめられている本人は色々な事を考え家族にもそれを言えずにいるなんて絶望しかなかったでしょう。でも声を上げずに逃げるより声を上げて闘う事を選んで欲しいと思ってしまいました。

ちょうど好きなドラマの原作者の漫画家さんが自死をしたというショックなニュースの最中に読んだので航基が踏み止まれて良かったと思いました。

2023/11/28

母の再婚で東京の進学校から田舎町の高校に転校することになった航基は、突然いじめのターゲットにされてしまう。我慢の限界の先に見えたのは「死」。自殺する気持ちがあるならもっと頑張れるというのは簡単で、当事者はもう限界を超えた先にいる。命の重さ、他人への尊厳、倫理観など深く考えさせられる。声を上げても何も変わらないかもしれない、でも変わることを願って声を上げる。自分が前へ進むために声を上げる「助けて」と。そしてその声を拾い上げられる人たちのいる世界になればいい。