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魚にも自分がわかる 動物認知研究の最先端 ちくま新書1607
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魚にも自分がわかる 動物認知研究の最先端 ちくま新書1607

幸田正典(著者)

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魚にも自分がわかる 動物認知研究の最先端 ちくま新書1607

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2021/10/07
JAN 9784480074324

魚にも自分がわかる

¥990

商品レビュー

4.7

7件のお客様レビュー

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2023/09/10

「魚にも自分がわかる」。今まで原始的とされてきた魚類は、他を区別でき、自己認識もあるという驚くべき研究成果を示した一冊。とにかくタイトルに惹かれ読み始めたが、ページを捲る手が止まらない。読み始めた読者は「魚なんて馬鹿だ」という認識から始まるのが大半であろうから。万が一、魚だって…...

「魚にも自分がわかる」。今まで原始的とされてきた魚類は、他を区別でき、自己認識もあるという驚くべき研究成果を示した一冊。とにかくタイトルに惹かれ読み始めたが、ページを捲る手が止まらない。読み始めた読者は「魚なんて馬鹿だ」という認識から始まるのが大半であろうから。万が一、魚だって…と少し斟酌して読み始めたとしてもそれ以上の、期待以上の結果が待っているのでただただ、素晴らしいとしか言いようがない。 筆者は論じていく際の構成がとてもお上手で、特段笑わせにくる研究者のタイプでもなさそうだがこの論説をずっと読んでいたい、と思った。ギャロップ教授の難癖レベルの大反論を喰らってしまったところは思わず笑ってしまったが。 筆者が基本として教科書は絶対に押さえるが、教科書どおりかどうかより自己の目で見たものを信じろ、としている。皮肉にもギャロップ説が教科書どおりだとしたら、今までの研究者はその域を出なかったことになる。そこを徹底的に持論を遵守し大いなる発見をされたこと、難癖(?)をことごとく論破されたことに対して敬意を表したい。 人間だけが決して優秀な生きものではないこと。 少しでもその「選ばれし高度な生物」という表現に違和感を覚える方に、この本をおすすめしたい。更に研究が進んで、すべての生きものとは人間と対等であることを証明できるように。

Posted by ブクログ

2023/06/06

にわかには信じられないタイトルが気になり、読んでみた。ここ10年ほどで進んでいる分野の研究が紹介されていて、確かに魚が「自分がわかる」ことを示している。魚が頭の中で、言語を使って色々考えを巡らせている、と言う訳ではなく、「自分がわかる」「他社を見分ける」種類の魚がいると判明したと...

にわかには信じられないタイトルが気になり、読んでみた。ここ10年ほどで進んでいる分野の研究が紹介されていて、確かに魚が「自分がわかる」ことを示している。魚が頭の中で、言語を使って色々考えを巡らせている、と言う訳ではなく、「自分がわかる」「他社を見分ける」種類の魚がいると判明したということ。 仮説を証明するには、対象物とカギをどうやって選ぶか、それには日頃から、広い範囲で物事をよく観察することが大切であることが、本書からわかる。一見、関係ないと思えるようなことが、どこかでつながっていく、そんな事例もある。そして、実験では、どうやって否定性を潰しながら、肯定性を確実に押さえていくか、導かれる結果の曖昧さを消すためには、どういう手順が必要か、本書で示されている手順の数々が、とても興味深い。 ことは、近世哲学の祖として、「我思うゆえに我あり」で知られるデカルト(1596-1650)にさかのぼる。彼は動物にも知能はあるとしていたが、動物が自己やこころを持つことはない、動物は刺激に対し反射的に反応するだけで意識もない機械と同等な存在とまでみなしていた。これを覆したのは、ゴードン・ギャラップ教授が、チンパンジーが鏡で自分を認識すること、すなわち鏡像自己認知を証明した1970年だった。これにより、動物が自己認識すること、自己意識を持つことを示した。そして、今世紀に入り、イルカ、ゾウ、そしてカラスの仲間のカササギでも、自己認知が確認された。そして、魚にも自己認知が確認されれば、脊椎動物全体の自己意識を認めることになる。 という背景から、著者たちが論文を発表した時には、チンパンジーの研究者から、激しい反論があったという。中にはいちゃもんか?というレベルの指摘もあったようだが、それを丁寧に反証していくようすが、また面白い。 アフリカのタンガニイカ湖は、種多様性が高く、多くの捕食者が常に狙っている生息地。これが、社会性が発達する要素になっている。確かに、縄張りや群れという社会性を持つなら、何らかの方法で、その魚たちは個体を見分けているはずで、その先にある自己認識の可能性が高まる、ということなのか。

Posted by ブクログ

2022/05/05

魚の研究についての本。 内容は、タイトルのとおり「魚にも自分がわかる」について、理論や実験のことが書かれている。 第五章「論文発表後の世界の反響」で、批判に答えるために実験をして、見事自身の論文の正しさが証明されたときの興奮が、文章から伝わってきて、ああ研究ってこういうことだよな...

魚の研究についての本。 内容は、タイトルのとおり「魚にも自分がわかる」について、理論や実験のことが書かれている。 第五章「論文発表後の世界の反響」で、批判に答えるために実験をして、見事自身の論文の正しさが証明されたときの興奮が、文章から伝わってきて、ああ研究ってこういうことだよな、いいよなと思った。 会社の同期とやっている読書会の課題図書。真面目な同期もいるものだなぁと思うけれど、普段の生活では出会うことがない本に出会える読書会って、貴重な機会だ。

Posted by ブクログ

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