20世紀ジョージア(グルジア)短篇集

児島康宏(編者)

• 販売会社／発売会社: 未知谷
• 発売年月日: 2021/08/25
• JAN: 9784896426434

商品レビュー

2024/03/04

ポッドキャスト番組、『翻訳文学試食会』にリクエストすべく、挑戦した本書。イランと近く、一度３泊のショートステイに出かけたこともあり、前から気になっていた国でもあるジョージア。
6人12篇の作品のうち、ノダル・ドゥンバゼ『HELLADOS』、グラム・ルチュウリシヴィリ『唖のアフメドと命』が、私のお気に入りの2作。
前者は、根底になんとなく流れている不吉な予兆を（怖いもの見たさ的に）楽しむことができた。後者は、主人公の人生が、海に包まれている感じがとてもよかった。

翻訳の技術が高いことも、特筆すべき点である。

2023/02/22

　20世紀初めからソヴィエト連邦時代のジョージア（旧グルジア）文学の作家6人の短篇小説から、それぞれ2篇ずつ収録。

　　ミヘイル・ジャヴァヒシヴィリ……「悪魔の石」・「無実のアブドゥラ」
　　コンスタンティネ・ガムサフルディア……「大イオセブ」・「ひげなしのガフ」
　　ギオルギ・レオニゼ……「希望の樹」・「マリタ」
　　ノダル・ドゥンバゼ……「HELLADOS」・「ハザルラ」
　　グラム・ルチェウリシヴィリ……「唖のアフメドと命」・「アラヴェルディの祭り」
　　ゴデルジ・チョヘリ……「チャグマ爺さんの夢」・「ハフマティの月」

　登場する地名や歴史、風習に理解が追い付かない時もややあったが、読み応えは充分だった。個人的なお気に入りは、群集心理の描写が素晴らしい「悪魔の石」（M・ジャヴァヒシヴィリ）と、ミステリーやスリラーのごとき趣きもあった「大イオセブ」（K・ガムサフルディア）。