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影踏亭の怪談
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影踏亭の怪談

大島清昭(著者)

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影踏亭の怪談

1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2021/08/24
JAN 9784488028428

影踏亭の怪談

¥1,870

商品レビュー

3.7

29件のお客様レビュー

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2024/11/01

 書影から心惹かれて手にした一冊。  ホラーとミステリーが合わさった、怪談作家の原稿と当事者の目線の両方から話が展開していくタイプのお話です。  主人公は本名の漢字をもじってペンネームにしている怪談作家。本人には特段の霊感はないとのことだけれど、職業柄不思議な体験や心霊現象と思...

 書影から心惹かれて手にした一冊。  ホラーとミステリーが合わさった、怪談作家の原稿と当事者の目線の両方から話が展開していくタイプのお話です。  主人公は本名の漢字をもじってペンネームにしている怪談作家。本人には特段の霊感はないとのことだけれど、職業柄不思議な体験や心霊現象と思われる現象には稀に遭遇している。影踏亭の怪談、朧トンネルの怪談、どろどろ坂の怪談、冷凍メロンの怪談、と四つの短編が語られていく。怪談作家の主人公の作風は、ルポルタージュと怪談が合わさった淡々としたものだということで、本編も淡々と現場で起きた事件の調査や事実確認が進んでいく。しかし、起きるのはいずれも密室状態の事件。それがどのように起こされたものなのか、怪異との関係は。調査が進むにつれて、主人公は気付いてはいけないところにまで踏み込んでいってしまう。  これをホラー小説として読むには、おそらく物足りないと思います。ただ、単純にミステリーとして読もうとすると、要所要所に絡んでくる言いようのない恐ろしさや怪異の存在は無視できません。どちらともいえないというよりは、両方のいいとこ取りのような印象です。  主人公の作家さんは、怪異や殺人現場に居合わせる経験が多かったわけではないだろうに、この話に出てくる四編の短編では事あるごとに事件に巻き込まれてしまいます。しかも、どれもが密室の事件です。密室にするトリック、犯人が誰なのか、どういう意図を持っているのか、それともこれは本当に心霊現象なのか。最終的には人が何かを判断したものでも、動機や状況に常人ではありえない呪いのような狂気が見え隠れする。そんな展開の連続に、ああまた密室事件かと思いながらつい先に先にと読んでしまいました。  最後の『冷凍メロンの怪談』は、一体どういうタイトルなんだと思いながら読みましたが、結論に至った最終盤が一番ぞくっとしました。あれはここにつながるのか、と。  別のホラー小説の話ではありますが、まったく別の怪談だと思って蒐集・調査していた話が実は一つの怪談から派生したもの、もしくは同一のものである場合、その業や呪いは強いものであるという話は、怪談蒐集を行う方々の中では有名な話です。この話も、それに近いものを感じました。  ホラー的な怖さや、人の狂気的怖さはあまり強くありませんでしたが、冷静に読める分楽しめた部分も大きかったです。  また機会があれば同じ作家の方の話も読んでみたいと思います。

Posted by ブクログ

2024/10/26

「バラバラ屋敷の怪談」が面白かったので、遡って第一話も読んでみた。 ホラーとしての怖さは「バラバラ~」の方が強かった。 その辺りは作家さんとして書き慣れてきた感じがあるということだろうか。 こちらは描かれている怪談や事件(原稿またはルポタージュという設定)は怖いのに、主人公の作...

「バラバラ屋敷の怪談」が面白かったので、遡って第一話も読んでみた。 ホラーとしての怖さは「バラバラ~」の方が強かった。 その辺りは作家さんとして書き慣れてきた感じがあるということだろうか。 こちらは描かれている怪談や事件(原稿またはルポタージュという設定)は怖いのに、主人公の作家・呻木叫子の語り口が淡々としていて逆に冷え冷えとしたものを感じた。 呻木が弟の死や自身の大きな事故すら客観的に捉えているところがドキッとする。 影踏亭と呼ばれる旅館で起きる怪現象 朧トンネルと呼ばれる場所で見られる首だけ幽霊 ドロドロ坂と呼ばれる場所で見られる黒いモノ 死体の横に冷凍メロンが置かれる連続事件 今回も事件としての物理的に解決できる部分と、ホラーとしての不可解な部分とが混ざり合っている。 怖いのは人間なのか、人間にそう仕向ける不可解なモノなのか。だがその不可解なモノも元を辿れば人の飽くなき欲望に寄るものなのか。 突き詰めて考えれば考えるほど分からなくなってきて、気味が悪くなる。 個人的には女性ディレクターの鰐口は面白いキャラクター。『オカルト系アイドルグループ』というジャンルがあるのも面白い。 最後のページの件は、先に『バラバラ~』を読んでしまったのでそれほど気にならず。 だがこうなると、時系列的にはどっちが先の話なのだろう。もしかしたら『バラバラ~』が先なのか。

Posted by ブクログ

2024/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

澤村伊智さんが推薦してたので期待を膨らませて読んだ。人間と怪異の怖さが両方あると満足感あって嬉しい。怪異が存在するの前提で話が進むのも新しい。 でも、冷凍メロンはちょっとなあ。 Q.なんで冷凍メロン? A.教祖が好きだからです! っていうのはあんまり怖くない。死因が冷凍メロンなのすごくゾワゾワするのに、真相を知って拍子抜け感がある。 なんだろうなこの感じは。

Posted by ブクログ

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