商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 静山社 |
発売年月日 | 2021/07/07 |
JAN | 9784863896215 |
- 書籍
- 児童書
たとえ悪者になっても ある犬の訓練士のはなし
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たとえ悪者になっても ある犬の訓練士のはなし
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栃木県で、飼い主を咬む犬専門の訓練を行っている中村信哉(なかむらしんや)さんを追ったドキュメンタリー。 最初は警察犬訓練士だった中村さんですが、咬む飼い犬に困っている飼い主が多くいることがわかり、咬む犬専門の訓練所を作りました。 こちらのドキュメンタリーは、自分のかわいい飼い犬が...
栃木県で、飼い主を咬む犬専門の訓練を行っている中村信哉(なかむらしんや)さんを追ったドキュメンタリー。 最初は警察犬訓練士だった中村さんですが、咬む飼い犬に困っている飼い主が多くいることがわかり、咬む犬専門の訓練所を作りました。 こちらのドキュメンタリーは、自分のかわいい飼い犬が自分たち家族を咬むということで悩んだり苦しんだりする飼い主の心にも触れます。自分の接し方が間違っていたのか、色々な訓練士や獣医に相談しても変わらない、もう家では飼えないのか…。 中村さんは、犬の良いところも悪いところもひっくるめて愛する本当の犬好き。犬は一般的には「柔順で飼い主に従う」と思われるけれど、実際はかなりしたたかで、損得を考えて行動しているといいます。だから嫌なことがあったら飼い主の前でしおらしくしてみたり、威嚇して、飼い主が怯んだら「人間なんてちょろい」と学んでしまいます。それが行き着いてしまうと、飼い主にも本気で噛みつく犬になってしまうことがあります。 中村さんのところに預けられるのは、飼い主一家に本気で噛みつき大怪我をさせたり、子供にまで噛み付いたり、人が近づくと威嚇してくるので檻に閉じ込めたまま餌をやるので精一杯でトイレの始末もできないくらい凶暴になってしまった犬も居ます。 そんな犬たちの咬み癖を治すための訓練は2年ほどもかかり、その間は訓練所での合宿のため飼い主さんとの面会もできません。そして2年以上もかかる訓練の間、飼い犬が家族として戻ってくると信じてずっと待ち続ける飼い主さん。 中村さんの訓練所では、他の方法がないときはげんこつやムチによる「体罰」を使います。 もちろんやみくもに叩くのではなく、最低限の痛みで最大限の効果が出るようにタイミングや力加減や部位などは計算しつくして、叱るだけでなく問いかけやフォローも欠かしません。いわゆる虐待などとは全く違うのですが、訓練所がテレビでも取り上げられたときには賛否両論が巻き起こったそうです。 体罰に関しては他の犬の訓練士さんたちとも意見の相違がかなりあるようです。「体罰は虐待で、犬の心に深い傷を追ってしまう」「体罰をするくらいなら殺傷処分したほうがまだよい」 それに対して中村さんは「犬と人間は違う生き物で、異なる規範の中で生きている。犬と人間との間では、言葉だけのコミュニケーションには限界がある。殺傷処分は絶対避ける。そのためには自分が悪者になっても、犬の命を守りたい」 犬たちの中には、残念ながら飼い主のもとに戻れない犬も居ます。そんな犬を引き取り、その犬の望みや幸せってなんだろう…と考えてしまうこともあるようです。 私はテレビ放送されたという中村さんの訓練所その番組を見ていないので(見た方居ますか?)他の訓練士さんたちはどうしているのかなどはわかりませんが、この本では中村さんが犬と飼い主の気持ちに寄り添う強い意思、命に向かい合う真剣さを感じます。 うちは動物は飼っていなくて、私は飼いたいなーーーと思っているのですが、では真剣に生命に向き合えるのか、飼うことの責任がわかっているのかなど考えてしまいました。
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北栃木愛犬救命訓練所の中村さんのノンフィクション。もう…そこに出てくる「ふく」という犬が、うちの犬の事のようで、出てくる言葉が全て心に突き刺さる。 テレビで中村さんが犬の為に体罰をした、その体罰だけを取り上げて叩く人がたくさんいたらしいが、この本を読めばそれが飼い主と犬の為だと分...
北栃木愛犬救命訓練所の中村さんのノンフィクション。もう…そこに出てくる「ふく」という犬が、うちの犬の事のようで、出てくる言葉が全て心に突き刺さる。 テレビで中村さんが犬の為に体罰をした、その体罰だけを取り上げて叩く人がたくさんいたらしいが、この本を読めばそれが飼い主と犬の為だと分かる。コロナでペットを飼う人が増えたという。そして捨てる人も多いと聞く。人間の愚かさを感じてしまう。中村さんやスタッフの努力と行動に頭が下がる。
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もう読み始めた直後の序盤から、泣く。 北斗の写真が出てきたところで、泣く。 そして中村信哉氏の原体験が綴られた第七章で、泣く。 内容的には、訓練所のウェブサイトや中村氏のFacebookなどをチェックしている人にとっては特に真新しいポイントはないと思うが、氏が一貫して主張・行動...
もう読み始めた直後の序盤から、泣く。 北斗の写真が出てきたところで、泣く。 そして中村信哉氏の原体験が綴られた第七章で、泣く。 内容的には、訓練所のウェブサイトや中村氏のFacebookなどをチェックしている人にとっては特に真新しいポイントはないと思うが、氏が一貫して主張・行動してきているイデオロギーがとても分かりやすく平易に、子供向けの文章で書かれており、ストンと心の裡に沁み落ちてくる。 犬を叩く叩かないなどの線引きそれ自体は本当に些末なことであり、一個の生命体として一個の生命体に向き合っている、結果として救われる命がたくさんある、それで充分ではないだろうか。
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