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安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010 「基盤的防衛力構想」の時代
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安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010 「基盤的防衛力構想」の時代

千々和泰明(著者)

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安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010 「基盤的防衛力構想」の時代

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 千倉書房
発売年月日 2021/06/07
JAN 9784805112328

安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010

¥6,050

商品レビュー

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2022/01/16

防衛省(庁)の行政文書や関係者のインタビューを通じて、基盤的防衛力がなぜ生まれ、冷戦後も長く続いたのか、実際には脅威概念や整備・運用の考え方をめぐる同床異夢が内在しており、意味内容は変化してきたことを明らかにしている。左派から防衛政策に対する批判が強い時代において、既存の看板を外...

防衛省(庁)の行政文書や関係者のインタビューを通じて、基盤的防衛力がなぜ生まれ、冷戦後も長く続いたのか、実際には脅威概念や整備・運用の考え方をめぐる同床異夢が内在しており、意味内容は変化してきたことを明らかにしている。左派から防衛政策に対する批判が強い時代において、既存の看板を外すコストが高いということが長く続いた要因であろう。 ・70年代のデタント期に、ソ連の脅威低下により所要防衛力に代わる考え方が必要となり、基盤的防衛力が生まれた。脱脅威論と低脅威論の同床異夢的なところがあった。防衛当局には、三木政権のリベラルさに歯止めをかける意図もあった。 ・冷戦後は、基盤的防衛力を捨て去ることが軍縮に向かうことを懸念し、「力の空白」論によって防衛力の下限を示すものとして維持された。97ガイドラインを受けた共同作戦計画の際は、脱脅威論的な考えが障害となった。 ・07大綱(95年)策定は米国防総省の「東アジア戦略報告」の作成と同時期であり、日米間で連携しつつ進められていた。 ・2000年以後には運用重視に変化しており、事実上基盤的防衛力の考え方は終焉していた。

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2021/10/24

 子供の頃、漠然と考えていた「お国のすることは、時に間違えることもあるかもしれないけれど、石橋を叩いたような、抜けのない、国民大多数の意思を反映するように成り立っている・・」なんて、幻想を見事に打ち砕いてくれる著作。  え、そんな適当に政策が決められているの?  同じ組織の中で、...

 子供の頃、漠然と考えていた「お国のすることは、時に間違えることもあるかもしれないけれど、石橋を叩いたような、抜けのない、国民大多数の意思を反映するように成り立っている・・」なんて、幻想を見事に打ち砕いてくれる著作。  え、そんな適当に政策が決められているの?  同じ組織の中で、認識のベクトルがあちらこちらに向いてていいの?  ・・・ってな感じですかね。    国民の皆さん、ちゃんと政治にコミットした方がイイっすよ。

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2021/08/13

玉虫色の基盤的防衛力構想はいかにして冷戦後まで生き延びたのか 脱脅威論と低脅威対抗論のはざまに浮かんだある意味虚構としての「基盤的防衛力構想」だったが、冷戦終結後にはさすがに再定義が求められる。 「力の空白論」を用いた脱脅威論として再定義(同じ「力の空白論」でも西沢の「力の空白...

玉虫色の基盤的防衛力構想はいかにして冷戦後まで生き延びたのか 脱脅威論と低脅威対抗論のはざまに浮かんだある意味虚構としての「基盤的防衛力構想」だったが、冷戦終結後にはさすがに再定義が求められる。 「力の空白論」を用いた脱脅威論として再定義(同じ「力の空白論」でも西沢の「力の空白」概念が基盤的防衛力の上限を取り払うロジックであったのと逆に、日吉の力の空白論」は基盤的防衛力の下限を確保するためのロジック) ナイ・イニシアティブにおける「東アジア戦略報告」と「〇七大綱」がお互いに調整され、「日米安保再定義」に結実していたとは知らなかった。 こうして〇七大綱になっても生き延びた「基盤的防衛力構想」だったが「運用重視」の観点から限定小規模対処やエクスパンションは削除され、別表は大幅に下方修正された。冷戦終結後の国際環境の変化が、このあとの中国の大幅な軍拡に繋がったことを考えれば、この別表の下方修正はとても悔やまれる。ただし、運用重視の観点から正面装備と後方支援のバランスがついにとれたのはプラスと評価すべきだろう。 玉虫の最後 テロと弾道弾(後、島嶼防衛も加わる)が新たな脅威となった時代には、もはや基盤的防衛力構想では対処不能となり、一六大綱では「多機能弾力的防衛力」、二二大綱では「動的防衛力」、二五大綱では「統合機動防衛力」、三〇大綱では「多次元統合防衛力」となる。

Posted by ブクログ

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