幕張少年マサイ族

椎名誠(著者)

• 販売会社／発売会社: 中日新聞東京本社
• 発売年月日: 2021/05/21
• JAN: 9784808310578

商品レビュー

2024/06/18

東京新聞で高い評価と共に紹介されていた。作者は読みやすさで読者に寄ってきてくれるので、躊躇いなく手に取った。タイトルからは作り物の小説かと思ったが、作家の子供時代の懐かしい経験をまとめたエッセイだと気づいた。私は土地的にも年齢的にも共感をもてる。書かれている昭和の悪ガキは、当時の子供たちが誰も経験したことばかりで、こうして書いてくれないとすっかり忘れてしまう貴重なことばかりだった。ただ、この時代を知らない年代の人たちはどう受け取るのかな？と思った。資料のモノクロ写真がはるか昔の出来事であることを強調し、「新しい珍しい」という興味より、平安時代と同等の古い話として距離があるように感じた。古き良き「昭和」の、まだかなり田舎の千葉の子供たちが生き生きと過ごした日々は決して戻ってこないと、作者の明るい書き振りとは逆に悲しくなった。

2021/10/18

昭和30年代の埋め立て前の幕張の海岸。少年時代を回想するノスタルジックな自伝エッセイ。

「蒼海変じて桑田となる。」を地で行く世界。幕張メッセや千葉マリンスタジアムのある海浜幕張は筆者の少年時代は遠浅の海。幕張の港町の少年たちが遊ぶ海岸と貝やカニ、魚など、子供目線で振り返る。

何処か秋本治のこち亀の両さんの少年時代につながるノスタルジックな世界。

東京新聞の千葉版の連載。中学生になった後の続編も予告されている。

2021/08/29

著者が少年時代を過ごした千葉県幕張での思い出が綴られている。戦後のたくましい少年たちの元気な活動を通して幕張メッセができる前ってどんな雰囲気の場所かわかり面白かった。ただ、今の幕張を訪れたことがない人にとっては、それほど興味を持てないかもしれない。