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宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか 中公新書2642
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宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか 中公新書2642

藤原聖子(著者)

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宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか 中公新書2642

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2021/05/20
JAN 9784121026422

宗教と過激思想

¥946

商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2024/01/17

宗教において安易に混同してしまいそうな「過激主義」「過激派」「原理主義」「異端」をイスラム教のみならずキリスト教、日本神道、ヒンドゥー教や仏教等を事例に詳しく解説している。 ―多くの人が「一理はある」と認めている思想を突き詰め、いさぎよく振り子を一方向に振り切ったもの、それが過...

宗教において安易に混同してしまいそうな「過激主義」「過激派」「原理主義」「異端」をイスラム教のみならずキリスト教、日本神道、ヒンドゥー教や仏教等を事例に詳しく解説している。 ―多くの人が「一理はある」と認めている思想を突き詰め、いさぎよく振り子を一方向に振り切ったもの、それが過激思想なのだ。(終章 宗教的過激思想とは何か【227㌻】) それを踏まえて言うならば、現代の日本社会には無宗教であるが故の過激思想が芽吹いている、否、既に蔓延し始めているとも言えるのか。

Posted by ブクログ

2023/04/01

世間で「過激思想」と呼ばれているものの「正体」をつかまえようという本。イスラム過激派だけでなく(ここで最初にイスラムが出てくるのが既に偏見だが)、世界宗教のキリスト教、仏教、民族宗教からはヒンドゥー、ユダヤ、神道を取り上げ、「過激思想」と呼ばれるものの共通の特徴を探る。また「異端...

世間で「過激思想」と呼ばれているものの「正体」をつかまえようという本。イスラム過激派だけでなく(ここで最初にイスラムが出てくるのが既に偏見だが)、世界宗教のキリスト教、仏教、民族宗教からはヒンドゥー、ユダヤ、神道を取り上げ、「過激思想」と呼ばれるものの共通の特徴を探る。また「異端」や「悪魔崇拝(サタニズム)」にも触れる。 まず、イスラムとキリスト教の対比で、イスラムの過激思想は、抑圧されるものによる反体制運動で、政治的には左、宗教的には保守回帰のため右に位置する。それに対してキリスト教過激思想としてよく名指しされる「プロテスタント保守派(福音派)」は、政治的にも宗教的にも右に位置する。人工妊娠中絶を行うクリニックを襲撃するなどの行為は、胎児という「弱き者」を助けるという大義がある。ただしキリスト教系過激思想には右派だけでなく左派も存在し、その草分け的存在のジョン・ブラウンの思想は、現代のキリスト教右派にも引き継がれている。つまり過激思想=右とか左といった枠組みは成り立たないことを確認する。 次に、世界宗教と民族宗教の対比を行い、ナショナリズムに結びつくものもあれば、国民国家単位の対立を超越するためグローバルな思想の中から出てくる過激思想、また他方では国民国家よりも小さな文化的アイデンティティを拠り所とするものもあることを確認する。 最後に、近代以前の異端思想との対比を行う。現代の「過激」も、近代以前の「異端」も、その時代の多数派から危険視される点では共通しているが、暴力との関係では対照的だ。過激派は暴力を振るうことで問題視されるが、かつての異端はそのほとんどが迫害の対象であり、暴力を受ける側である。その違いは、現代の過激思想のほとんどが社会の不公平を批判し公正な社会を求める「世直し」を希求することにあるという。 関連して「悪魔崇拝」にも触れ、当初は排除したい者たちにあてがわれたレッテルに過ぎなかった悪魔崇拝のイメージが、ロマン主義文学においてダーク・ヒーロー化し、さらに20世紀にはリアルな悪魔崇拝者が出現し、「異端」から「過激」へと変貌を遂げていることに触れる。 ここからは私の感想で、本書の本筋とは少しズレるが、さまざまな宗教思想やその中で過激とされるものに触れる中で、そもそも民主主義であったり、自由・平等といったものが「良いもの」だという前提が揺らいでいるというか、そう思わない人もいるのだということを感じた。日本でも、選択的夫婦別姓や同性婚への反対が根強かったりする背景には、そもそも自由が万人に平等に与えられることを良しとしない感覚が根底にあるように思えてならない。考えてみれば、自由も平等も西洋近代以降に出てきた概念なわけで、それが良いものだ、皆が希求すべきものだという前提で対話を進めようとすれば、話が通じない場合が出てくるのは当然のようにも感じる。 本書の内容に話を戻す。末章において筆者は、宗教的過激思想において、宗教を政治に利用しているだけだという批判が起こりがちだが、そもそもその見方自体が、宗教は政治に関わるべきでないという西洋近代リベラリズムに基づいていることを喚起する。宗教的過激思想が、極端な思想であるにも関わらず共感も多いのは、それらが、西洋近代発の民主主義が閉塞した際に「あれかこれか」というジレンマ・二律背反のうちのどちらか一方に振り切ることで出現する思想だからである。そう考えると、そうした過激思想を単に異常思想として糾弾するだけでは問題は解決しないことがわかる。 当たり前に「正しいこと」「良いこと」と思い込んでいる価値観が、相手によっては通用しないかもしれないことを頭の片隅に置いておくだけでも、世の中の見え方が変わってきたり、相手との対話がうまく行ったりする場面があるかもしれない。

Posted by ブクログ

2022/11/20

内容はとても面白かった。知らない宗教者の話も知れて、勉強にもなる。 ただ内容に対し、おおむね満足する一方で、もっと多い文量で出版されるべき本だと思った。筆者はある程度の基準で取り上げる人物を選定しているようだが、個人的な思い浮かぶ人物が登場しなかったりと、その点で不完全燃焼な面も...

内容はとても面白かった。知らない宗教者の話も知れて、勉強にもなる。 ただ内容に対し、おおむね満足する一方で、もっと多い文量で出版されるべき本だと思った。筆者はある程度の基準で取り上げる人物を選定しているようだが、個人的な思い浮かぶ人物が登場しなかったりと、その点で不完全燃焼な面もある。

Posted by ブクログ

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