生き抜くための数学入門 増補新版 よりみちパン！セ

新井紀子(著者)

• 販売会社／発売会社: 新曜社
• 発売年月日: 2021/05/12
• JAN: 9784788516618

商品レビュー

2024/12/29

実生活の中で、社会人としての活動に本当に必要なのは、国語力より数学力だと痛感している。説明力や語彙力、理解力がないのは、本を読んで無いからではなく、数学力がないのが理由だと。
なぜなら、語彙の差異や論法を理解するのに必要な「切り分ける力」は、数学力だからだ。
AとBはなぜ違うのか、何が違うのか。それが理解できなければ、話者が語彙の違いに込めた思いを汲み取れないし、論法を使いこなせない。

そこへ来て、前書き。
「この本の目標は『とは』と『なぜ』の力をつける、です。」
新井先生も僕と同じ課題意識を持っているようで、勇気づけられる。

取り扱う数学は、簡単なものから始めて、どんどん難しくなる。
掛け算とは何か、数直線とは何か、無限と有限など、知っている「つもり」のジャンルから入って読者に数学的センスを問いつつ、「⚪︎×ゲーム」を数学的に定義する国語力が実はプログラマーに必要な力であることを教え、みんな苦手な三角関数が実はシンプルであることを伝え、けれど実はサインカーブ（y=sin x のグラフ）はコンピュータには計算できないから近似値のグラフを描いていることを題材にテイラー展開を説明し、そこから最後は「博士の愛した数式」ことオイラーの等式まで行きます。

僕はテイラー展開のところ辺りで置いて行かれました。

最終章では、「人間の論理的表現力をどれだけフルに使っても、最も身近な『自然数』についてさえ、その性質を確実に伝えることは不可能であると、数学的に証明されている」という衝撃的な事実を伝えます。しかし、それは残念な事実ではなく、「この事実を導き出したのは、まぎれもなく数学の論理の力だ」と。
かっこいい。

2023/10/24

最強に穏やかで、語りかける数学通じるものがあった。

式ばかりで無機質な数学のイメージがあるかもしれないが、良い意味で厳密で誠実に、この世にある考え方を説明しようというのが数学なんだな、と、気付かせてくれる一冊。

2023/03/14

無限の話とか超越数の話とか数学すごい！となりました。中学や高校ぐらいの時に読めてればもっと数学が好きになったかもしれない。