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校長先生、ちょっとこわくてふしぎな話を聞かせて
1,210円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 扶桑社 |
発売年月日 | 2021/04/21 |
JAN | 9784594088071 |
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校長先生、ちょっとこわくてふしぎな話を聞かせて
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阿武寺小学校に通う僕たちは、月に2回行われる特別講義に参加していた。それは、校長先生が語る「ちょっとこわくてふしぎな話」を聞く講義だ。他にも色々な講義があったけど、これが一番楽しそうだったんだ! *** 本屋で児童書を物色していた際、裏表紙の牛鬼に惹かれて購入。学校の校長先生が講義で子供たちに怖くて不思議な話を語るというコンセプトのこちらの本。 タイトルにある通り”ちょっと”こわくてふしぎな話なのでわーっと怖い思いをしたい場合に読むのではなくて、不思議な世界を少しだけ覗いてみたいという人が読むとちょうどいいかも。 どの話も明確なオチはついていないため、結末は想像の余地があり、様々な考えを巡らせることができる。 また、あくまでも授業なので怖い話や不思議な話を聞くばかりではなく、今の話を聞いてどう思ったかや今話した内容の不思議な出来事などはなぜ起こったのかという事を考える時間が必ず設けられる。そこで登場人物たちであるぼーちゃん、ざわしん、大、ミコトの四人の考察が入ってくるので、なかなか面白い。今まで、怖いはないといえば、主人公の恐い体験を追体験して、「あー怖かった」と思ったものだが、その怖い現象が何故起こったかというのは考えたことがなかった。怖い話を読む際の新たな視点という感じで新鮮。 本当に授業を受けているような気になって、懐かしい気持ちもあった。 とはいえ、中には怖い話もあり、ちょっとゾッとしたりもした。 一番ぞっとした話は「行方不明者」。この話は、校長先生が実際に体験した不思議な、それでいて鳥肌の立つ体験談。 校長先生が大学生だった頃、アパート近くにいつの間にかできていた定食者があった。安価でおなか一杯食べられるその定食屋はごはん時にはいつもごった返していた。 そんなある日、校長先生の友人が、奇妙なことを言い出した。 夜の7時頃にあの定食屋に行くと、どんなに混んでいても、カウンターの一番奥の席は空席なのだという。夜に利用したことがない校長先生は真偽のほどは判別できなかったが、にわかには信じがたい事実だ。あの店はご飯時に行けばいつも満員で座るに苦労するほど繁盛しているのだから、席を殺すような真似はしそうにない。気になった校長先生は、友人に促されるまま夜の7時ごろ定食屋を訪れてみると、カウンターの奥には美しい女性が座っているだけであった。やはり友人の勘違いであったと、がっかりした校長先生は、その女性と接触し、そのことを友人に伝える。すると、友人は自分も今度行ってみて、その女性がいるようだったら自らも声をかけてみるといって別れた。 そして、それっきり校長先生はその友人と再会することはなく、忽然と姿を消してしまったのであった。原因は店にあるのではとにらんだ校長先生は店を久しぶりに尋ねてみたのだがなんと、そこにあったはずの店はなくなり更地が広がっているばかりであった。 現在も友人は行方不明のままである。 美しい女性と共に煙のように消えた友人と定食屋。商売をやめたのではなく、忽然と建物と共に消えてしまったことが恐ろしい。 更に、この話には続きがあるのだがその続きがこの話の恐怖度と不気味さを底上げしている。 校長先生はほぼ傍観者であったので、実害はなかったのだが、私は傍観者だったとしても近くでその現象を見るのはぞっとする。 因果関係が意味不明すぎるし、何一つとして正体不明なのが不気味。 どういう目的で出現しているのかわからないが、そのものに好意を寄せている人物ごと消えてしまうのは、おとぎ話に出てくる悪い妖怪の様だ。 明らかに人智を超えた存在だが、一体どういうものなのだろうか……。 このほかにも、ちょっと怖い話や、不思議な話が詰め込まれていて面白かった。 校長先生の特別講義はいったん区切りを見せたが、今後も続くことはあるのだろうか?
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