語られた歴史 島津斉彬

安川周作(著者)

• 販売会社／発売会社: 南方新社
• 発売年月日: 2021/03/15
• JAN: 9784861244438

商品レビュー

2024/09/26

華麗なる血脈：家康の子孫　島津重豪と池田政治
天下泰平の時代：江戸幕府の構造　西欧列強の進出　日本をひとつに　鎖国論者の主張　工業化のはじまりー集成館　教育改革
斉彬藩主就任前の薩摩：薩摩に人材なし　重豪の国風改革→隠密潜入
人物像：質素＋事業資金惜しまず　マルチタスク　趣味は仕事
藩主就任：頑固な国風変化　民間の細事まで知る
マネジメント術：公平と気配り　教育熱心　細かなチェック
調練：厳しさとねぎらい　海軍創設
情報ネットワーク：高橋栄格と三村晴山
諸大名との交流：他の大名の失策をかばう
身分の壁：上級武士に人材なし　地位と任務は別
斉彬の死と安政の大獄：斉彬と井伊直弼　照國大明神

2021/04/12

NHK大河ドラマでもたびたび登場する島津斉彬。斉彬について詳しくなりたくて購入した。
この本では著者が集めた口述記録、史談などから、藩主としての斉彬の仕事ぶり、人柄が明らかになっていく。斉彬は、部下である城下の武士や官僚に対しても、熱心さを持ち、厳しさとねぎらいを持って接していたことが伺える。『語られた』数々のエピソードからは、人間味あふれる姿が伝わってくる。読みすすめていくと、仕事の基本、上司たるべき者の基本は、江戸時代も現代も変わっていないのだと思った。
斉彬のような歴史上に残る藩主を持った薩摩の人々がうらやましい。

2021/04/11

近代国家建設、偉人の輩出。頑迷な薩摩で、何故出来たのか？
学問を軽視し、格式にこだわる頑迷な薩摩の風土。藩の中枢役人たちも仕事より酒量を競う有り様。上級武士に人材なしとされる薩摩で、いかにして近代国家の礎を築き。西郷・大久保ら多くの偉人を輩出させたのか？斉彬と接した語り部たちの記録から明らかにしていく。（２０２１年刊）
・第１章　華麗なる血脈
・第２章　天下泰平の時代
・第３章　斉彬藩主就任前の薩摩
・第４章　斉彬の人物像
・第５章　藩主就任
・第６章　斉彬のマネジメント術
・第７章　調練
・第８章　情報ネットワーク
・第９章　諸大名との交流
・第１０章　身分の壁
・第１１章　斉彬の死と安政の大獄

斉彬がどうやってそれを成し遂げたのか？どのようにしてそれが可能になったのか、藩士たちは斉彬のもとでなぜパフォーマンスが急上昇したのか、斉彬はどのようなマネージメントをしていたのか。ビジネスマンである著者が、当時斉彬に接した人達がのこした史談をもとに迫る。

ややひいきが過ぎる気がするが面白い本である。残念ながら斉彬がどうやってそれらを成し遂げたのかは分からなかったが、結局、カリスマ性に帰されてしまうのだろうか。考えてみれば不思議なことである。斉彬以外の部分に関する記述が雑なのは難。