商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2021/03/15 |
JAN | 9784003220993 |
- 書籍
- 文庫
奴婢訓 他一篇
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
奴婢訓 他一篇
¥572
在庫なし
商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
18世紀、階級社会真っ只中の英国で書かれた風刺書物。屋敷の奉公人としての心得を説いている。 曰く、失敗を誤魔化す方法、家事をいかに手を抜くか、酒のおこぼれの預かり方、ご主人から小遣いをもらうには、宿屋での振る舞い方などなど。 巻末にある、アイルランドを貧困から救う方法は、これ...
18世紀、階級社会真っ只中の英国で書かれた風刺書物。屋敷の奉公人としての心得を説いている。 曰く、失敗を誤魔化す方法、家事をいかに手を抜くか、酒のおこぼれの預かり方、ご主人から小遣いをもらうには、宿屋での振る舞い方などなど。 巻末にある、アイルランドを貧困から救う方法は、これまた驚くべき一編。この後に「ガリヴァー旅行記」を読むと、また違った味わいが。
Posted by
両作品とも、皮肉というより辛すぎる露悪という感じで気の弱い人間が普通にくつろぐために読むにはかなりハード! ただ、17-18世紀にかけての英国、アイルランドの社会や、使用人の役割、当時の風俗、衛生観念や倫理観について知りたいなら風刺であることを前提に興味深く読めるのではないかと...
両作品とも、皮肉というより辛すぎる露悪という感じで気の弱い人間が普通にくつろぐために読むにはかなりハード! ただ、17-18世紀にかけての英国、アイルランドの社会や、使用人の役割、当時の風俗、衛生観念や倫理観について知りたいなら風刺であることを前提に興味深く読めるのではないかと思います。 読むときには、先にP.157からの深町さんの解説とP.163からの略年表を読んでから本編に取り掛かることをお勧めしますね。あとは、イギリスの対アイルランド政策を知っているとよりよい感じ。「奴婢訓」と「アイルランドの貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんことする方法についての私案」であれば先に後者を読むほうをお勧めします。内容や記述はかなり悲惨だけど、2021年時点の日本人の感覚で衛生的に「ぎゃー!」となることはないから。奴婢訓は結構すごい。 読む人の心を穏やかにするための予習用にwikipediaをリンクしておきます。 (アイルランドの歴史) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2 (スウィフト先生) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%95%E3%83%88 ネガキャンに見えたら岩波さんには申し訳ないけど、でもこの内容が現代に残っていて、はるばる日本へ渡ってきて和訳されて、出版されているというこの人の営みの尊さ、現代日本の広義での豊かさというものに逆説的に思いを馳せられる貴重な一冊、勇気ある挑戦だと思います。 こんな辛い風刺を書かざるを得ないような状況に、国や地域を問わず、これからの世の中が陥らないことを祈るばかりです。。。
Posted by