商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2021/03/05 |
JAN | 9784065227930 |
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ゼロエフ
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商品レビュー
2.8
5件のお客様レビュー
読了2021.05.24 思索を思索のままに綴る。 わかりやすく、整理して、時系列に、まとめない。 作者の連想の追体験をさせてもらえた気がしました。
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福島県郡山市出身の小説家古川日出男氏による、東日本大震災を巡るルポ。実際に主要国道を歩く巡礼記であり、先々で待ち受けるキーパーソンとの対話篇である。 震災報道の穴を叩き台にはじまる著者の旅だが、本書がその目論み、即ち震災報道の補完あるいは更新に成功しているかというと甚だ疑問だ。 ...
福島県郡山市出身の小説家古川日出男氏による、東日本大震災を巡るルポ。実際に主要国道を歩く巡礼記であり、先々で待ち受けるキーパーソンとの対話篇である。 震災報道の穴を叩き台にはじまる著者の旅だが、本書がその目論み、即ち震災報道の補完あるいは更新に成功しているかというと甚だ疑問だ。 肝心なところで、著者は取材者から得た貴重な話をあえて書かない、書けないと言う。一見相手を尊重しているようだが、それは偽善の謗りを免れないのではないか。相手が腹を割って話してくれたことを書く責務が、書く努力をする責務が著者にはあるのではないか。それが、報道が取りこぼしたことを埋めることになるのではないか。作家という特権的な地位に甘んじていないか。尻に鞭打ち書くべきことを飲み込んでしまうのは、書き手として怠慢ではないか、と読んでしまった。 著者が現代語訳した「平家物語」を絡めた国家論もいまいち理解できない。おそらく、countryと近代的なnationの概念を混在させながら議論を進めたからだろうが、ここは著者の訳が未読なので今後詰めたい。 むしろ本書で興味深かったのは著者のいう「私実」だ。著者、椎茸栽培を生業とする実家、母、姉‥。その群像を掘り下げることが著者にとっての震災の総括に他ならなかったのではないか。著者のルーツは本書の出発点をなしつつ中心とはなり得なかった。私小説に矮小化されることを嫌ったのだとしても、著者の私実の方が断然説得力があるだろう。 だからこそ、著者が心とはなんだろうと考えた時、認知症の母親に心を見ることが困難だと思った自身を発見したということ、心を見たいと苦しんだといった、枝葉の部分に、至極パーソナルな経験に切実さを感じた。 そして、神話とは事実ではない、神話とは真実であるといった、作家的な洞察に首肯した。 震災を語る困難さはもちろん、どう語るのか、どういった視点から語るのか、さまざまな問題を提起してくれた一冊。
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故郷福島の震災後の福島を徒歩で走破するルポルタージュ。古川さんの文体は独特なので、読むのに苦労するところもある。震災後の原発事故は未だその爪痕を多く残している。原発後の一次産業の相当な打撃は報道されている以上に過酷な状況だったのだと思う。
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