少年は仇に恋をする ハニーミルクC

占地(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2021/02/15
• JAN: 9784065222492

商品レビュー

2021/03/17

個性が強いけど作画が秀でていて、ちょっと気になっている作家さんの2作目です。
デビュー作は江戸ものでしたが、今回は中華もの！
背景の緻密な描写や、衣装の細かな描き込みとか、コマ割りアングルとか、とにかくテクニックがすごいな～と今回も感心しきりです。

中華風な世界観を舞台に、「仇」と「復讐者」という最悪な関係からスタートする恋物語。
ハオは悲惨な生い立ちだったのですが、老師フォンに助けられ大切に育てられ、絶大な思慕と恩義を感じている少年です。
ところがフォンが恋人のヤンファに裏切られ行方不明になったことからハオは怒りに燃え、ヤンファに復讐しようと決意。だけど彼を知るうちにだんだん憎しみが恋心に変化していきます。

シリアスな復讐劇かと思ったら、悪者でクズだったはずのヤンファがあまりにもダメダメの天然アホっ子で、完全に毒気を抜かれてしまいました。
なんか憎めない人。
ハオも大好きなフォンを捨てるなんてヤンファは冷酷非道なオトコと思い込んでいたみたいなのですが全然違っていて、そのギャップにとまどっていたのが気づけばフォーリンラブという流れに。
この残念なヤンファを厳しい目で見るか、慈愛を持って見るかでかなり評価が分かれそうな作品かも。

キャラがとても表情豊かなのがいいです。赤面したり、怒ったり、泣きそうになったり…と次々変わる表情の描き方がとても上手くて見飽きません。
そして、メインより脇キャラの方がカッコよかったりして…笑
ヤンファの弟たちもヤンファより有能そうで麗しいんだけど、何より従者のラァンがクールで有能でカッコよすぎ～!!
(カバー下に古風なプロフィールがあって、これもクセつよです。)
エロもしっかりあったのですが、それよりも番外編で侍女たちが従者のラァンとヤンファの薄い本作ってる話がめちゃくちゃ面白かったです！
侍女たちにサービス満点のヤンファを見たら、絶対腐女子に好感度アップですよね。
ラァンの攻様としての潜在能力の高さに萌えました！自覚なさそうなのもいいです。