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八犬伝(下) 山田風太郎傑作選 江戸篇 河出文庫
1,155円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2021/02/05 |
JAN | 9784309417950 |
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八犬伝(下)
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
2024.11.4 読了 読み始めてすぐに映画『八犬伝』を観たので物語が映像として浮かんできてより読みやすく感じました。 八犬伝の物語の虚の世界とそれを書く馬琴の生活の実の世界がテンポ良く入れ替わっていくので飽きないし実の堅さを北斎がいい感じに和らげてくれてるのも良かったです。...
2024.11.4 読了 読み始めてすぐに映画『八犬伝』を観たので物語が映像として浮かんできてより読みやすく感じました。 八犬伝の物語の虚の世界とそれを書く馬琴の生活の実の世界がテンポ良く入れ替わっていくので飽きないし実の堅さを北斎がいい感じに和らげてくれてるのも良かったです。
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中断しつつ読み終わった下巻。 小学生の頃から碧也さんの八犬伝でストーリーはかなり把握してるので、楽しみつつ復習しながら読む。 大角登場から始まる物語は、みんなの流浪、集結と、新生・浜路の再会、船虫の決着、妙椿狸のことに軽く触れたのち、あっさり決着へ。 山田風太郎が言うように、後...
中断しつつ読み終わった下巻。 小学生の頃から碧也さんの八犬伝でストーリーはかなり把握してるので、楽しみつつ復習しながら読む。 大角登場から始まる物語は、みんなの流浪、集結と、新生・浜路の再会、船虫の決着、妙椿狸のことに軽く触れたのち、あっさり決着へ。 山田風太郎が言うように、後半、というか、第九輯はもはや辻褄合わせが羅列されるのみで、前半のようなアップテンポな面白さは無い。 そこを工夫して読ませるのが本書で、山田式に要点だけを書き抜き、実の世界、すなわち、曲亭馬琴の地獄のような家庭(←小谷野敦にはこう書かれていた)の歴史を連ねる。 北斎の老後の孫との確執、上巻で一瞬だが大きなものを馬琴に響かせた南北との相違、息子の友人として登場した渡辺崋山の行く末、頼みの綱の息子・宗伯の病死、孫のための引っ越し、そして馬琴の失明。 老いて、そして失明した馬琴のために、嫁のお路が、ひらがなしか知らないお路が、漢語を散りばめた八犬伝を口述筆記した。 その事実は知っていたが、改めて本書で、こんなに漢語や古典籍からの引用が多い文章を、教養のなかった、文字もあまり書けなかった若い女性に教えたんですよ、と具体的に説明されて絶句しそうになった。これは…流石にきついっしょ! (しかしさあ…。 28年かけて完成したのは執念のようでもあるが、近年どこかで話題になったように、ガラスの仮面とかあなた、何年描いてるんすか、本当に終わりまで読めますか、八犬伝ファンはさあ、28年掛かったけどちゃんと終わったんだからいいじゃんよーとも思ってしまうよ。本当にすみません。) 本書では馬琴の人柄が面白くて、彼のなかなかに凄い人生は、物語と同様に、時にはそれ以上に迫力があった。 晩年のお路とのコンビもなかなか。 そして終わりの段落p410 おれは八犬伝だけの男ではないぞ、と言いたいのである。 馬琴は、まだいばっていた。 「南総里見八犬伝」 世界伝奇小説の烽火(ほうか)、アレキサンドル・デュマの「三銃士」に先立つこと三年。 うん、かっこいい。風太郎の凄さもまた存分に味わえる本書は1.5次創作として大変に完成度が高く、今後も数年に一度は読み返していきたいと思う。
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伝奇小説の八犬伝と、著者馬琴の伝記がほぼ交互に記される。 正しいものが幸せになるとは限らない現実があり、そんな苦しい実世界の中で、馬琴は勧善懲悪の八犬伝を書き上げる。 馬琴という人物がまあ酷い。偏執狂で唯我独尊、とにかく偉そう。でも家族はじめ他人からも好かれず愛されず、嫌われて、...
伝奇小説の八犬伝と、著者馬琴の伝記がほぼ交互に記される。 正しいものが幸せになるとは限らない現実があり、そんな苦しい実世界の中で、馬琴は勧善懲悪の八犬伝を書き上げる。 馬琴という人物がまあ酷い。偏執狂で唯我独尊、とにかく偉そう。でも家族はじめ他人からも好かれず愛されず、嫌われて、変な隣人には攻撃されたりもする。 馬琴は自分が正しいと思いながら生きている。 八犬伝にも、馬琴の考える正しさを反映させるよう、説教や知識を書きつけていたらしい。 この作中には山田風太郎さんが上手いことまとめたエッセンスの八犬伝が載っているので、馬琴の説教は読まなくて済む。 八犬伝はとても面白い。奇想天外な発想、痛快なキャラクターとストーリー。その点で馬琴は偉大。 馬琴の悲惨な実情が、八犬伝というフィクションより、実はとても興味深い。 馬琴はとても細かい日記を残している。この作品にもそれがたくさん生かされていると思う。 古い物語の現代語訳と、事実を小説にした歴史小説の合体。 馬琴は自身の性格の要因もあるが、大変に苦労をして、28年もかけて、八犬伝を書き上げる。 子供に先立たれ、生活費を稼ぐために、戯作を書き続けなければならなくなる。年老いて、やがて目も見えなくなる。 家族関係は決して良くなかった馬琴を支えたのは、亡き息子の妻の路だった。八犬伝がようやく完結したとき、言葉にするのが難しいけれど、不思議なカタルシスがあった。 とても感動した。
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