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ひかりの針がうたふ 現代歌人シリーズ
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ひかりの針がうたふ 現代歌人シリーズ

黒瀬珂瀾(著者)

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ひかりの針がうたふ 現代歌人シリーズ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 書肆侃侃房
発売年月日 2021/01/24
JAN 9784863854406

ひかりの針がうたふ

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商品レビュー

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2022/07/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

第26回若山牧水賞受賞作品 表紙はちぎり絵で海を表現しているのでしょうか 略歴は以下の記事が詳しいので載せておきます https://www.tokyo-np.co.jp/article/146634 街を詠うのがとても斬新で、私も知っている福岡の地名が出てきてこのように歌にできるんだと驚き真似をしたくなった  早速購入することにした 今まで読んだ歌集で母が子を詠う歌は多いが父が子を詠うものは距離を感じるものばかりの印象だった 黒瀬氏の歌は子をどっぷり慈しむ歌で眼差しがとてもやさしい 子どものうたで特に好きな歌 麦茶呑みくだしてかあ、と息をつく乳児よ人となれ少しずつ 鼻よりも腹たかだかと湯上りの児は駆けゆけり父より母へ よその子に手を振られ去る保育所に吾児は必死に塔を築けり あけてはやくあけてとピオーネ一粒を児に手渡され始まる今日よ てんたうむしさんおきてーと薄明のちいさなる死へ児は呼びかけつ 子どもの様子が動きとともに想像できてこちらまで育児をしている気分 美しき谷あれあまたそそがれし物質の名を怒りにかへて 防護服まとひて歩む汚染土の線量をふと告げ難きかな 先客の名を隠しつつ鉛筆を吾に渡せりスクリーニング受付 地質調査のようなお仕事をされていたそうです 現地での切迫した状態が短歌で切り取られて迫力があります みづくらげただよふ博多湾の朝流されてゆく世間の方へ 水張田に空沈みをり福岡の夏出でて富山の夏へと入りぬ 西鉄は夜へと吾を運びゆく履歴書を書く男とともに 地名があるとさらにその情景の輪郭が強まるような印象 街の匂いや風を感じることができるような気がする 巻末の『博多湾の朝について』はエッセイのような私小説のような幻想的文体でとても好き。 裏表紙は測量の機器らしきものと著者。

Posted by ブクログ

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