そこに工場があるかぎり

小川洋子(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2021/01/26
• JAN: 9784087816945

商品レビュー

2025/01/21

大人のガチ工場見学（取材）
写真があればもっとよかったけど、各企業のサイトが掲載されているので併せて閲覧すると楽しめます。

工場というと機械のオートメーションのイメージだけど、紹介されていた企業は人の手が必須。これによって高い品質と性能が担保されます。日本ならではの町工場って感じですね

こういった伝統工芸品さながらの日本製品は、日本人が求めているからこそやっていける、という話には納得。日本人は海外の安い大量生産品のちょっとした不良品にクレームつける民族だし。日本人の肥えた目によって工場の技術は進歩してきたし、それは誇らしいことです。

2025/01/12

小川洋子さんの描写がとても文学的で、町工場もとっておきの製品を作っているように感じる。そして、作業している人の息吹や矜持を静かに感じる。知るを楽しむにうってつけ。その会社の歴史も楽しめた。

2024/08/31

小川洋子さんの数学者や学者へのインタビューやスプリング８などの探訪記は読んだことがある。本屋で工場の見学記を見つけ購入。

興味深かったのは、最初の金属の細穴空け加工。最終製品を知らず、依頼の穴を空ける。セッティングの感覚的な微調整のシーンは息を飲む思い。

お菓子、ボート、ベビーカー、ガラス加工、鉛筆とレポートが続く。後書きを含め、小川さんの愛情のある文章を読み進めた。

難を云えば、写真かイラストの説明が少し欲しかった。小川さんは微に入り細に入り臨場感たっぷり説明してくれるけれど、隔靴掻痒の感はある。
それからイラストが酷い。全然小川さんに似てないよね。