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「自己決定権」という罠 増補決定版 ナチスから新型コロナ感染症まで
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「自己決定権」という罠 増補決定版 ナチスから新型コロナ感染症まで

小松美彦(著者), 今野哲男

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「自己決定権」という罠 増補決定版 ナチスから新型コロナ感染症まで

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 現代書館
発売年月日 2020/12/25
JAN 9784768435854

「自己決定権」という罠 増補決定版

¥2,860

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2021/04/03

尊厳死とか選択的な出産とか、自殺だったり子供を選んだりという普通だったらやっちゃいけないことをやらせろという時に、自己決定権というロジックで求めるというやり方があるが、それは、権利を拡大するように見えて、実は、権力とか、国家、経営者が密かに望んでいることであって、要するに弱者減ら...

尊厳死とか選択的な出産とか、自殺だったり子供を選んだりという普通だったらやっちゃいけないことをやらせろという時に、自己決定権というロジックで求めるというやり方があるが、それは、権利を拡大するように見えて、実は、権力とか、国家、経営者が密かに望んでいることであって、要するに弱者減らした方がいいとか、医療費がかかる人は本当はいない方がいいとかいうことに、結局はのってしまっていて、権利の拡大を主張しているはずが、実は権力の思うつぼであって、絡めとられて、結局それが小さくされてしまう。あるいは、権利を主張していると、逆にそれが義務性を帯びてしまって、あなたは死ぬことができるのになぜ死なないのというように、刃がこちらに向いてしまうということがある。だから自己決定権は罠だと。自己決定権というテクニックを使って主張するということは危ういと。 尊厳死の問題ほどシビアなものではないが、リモートワークについても同様の議論はできそうだ。 コロナが怖いからリモートワークをさせろと、会社には行きたくないんだと、どこで働くかは私に決める権利があるんだと、自己決定権を主張したとする。 会社は最初は仕方ないですねという体で認めていくけれど、本当は、会社はオフィスなんか用意したくないし、わずかなネット接続の費用くらいで、パソコンから作業空間から、モチベーションから何もかも全部ワーカーが抱えて、自分で管理して、指示したことをやってくれさえすれば、そんなありがたいことはないと思っている。 リモートワークを自己決定権で要求していくと、働く場所を提供するのを本当はやりたくないという権力側の思うつぼで、それでワーカーにあったはずの権利がどんどん奪われていき、しまいには、わざわざ会社に来たがるって何だということに容易に反転するということになってしまう。 自己決定権のはらむ矛盾を考える。

Posted by ブクログ

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