ランキング 私たちはなぜ順位が気になるのか？

ペーテル・エールディ(著者), 高見典和(訳者)

• 販売会社／発売会社: 日本評論社
• 発売年月日: 2020/12/22
• JAN: 9784535559813

商品レビュー

2021/12/21

ランキングについての学術的研究というよりもエッセイである。どのようなことがランキングされているかについて広く浅く知るにはいい。ランキングを卒論としたいという希望があれば、この本からネタを得ることができるであろう。そのためには、巻末にある参考文献の中から実際に自分で文献を読んでいく努力が必要となるであろう。

2021/08/22

２位ということは、負けた人の中で１位ということ。（アイルトン・セナ）
銅メダリストは4位以下の選手と比較するので、銀メダリストより満足する。

客観性のあるランキングは作れない？
認知バイアス
　後知恵バイアス ＝ 事前予測していたと誤って信じる
　確証バイアス ＝ 先入観に合致する情報を信じやすい
　損失バイアス ＝ 損失は同じ額の利益より大きく感じる
　アンカリング効果 ＝ ものごとの数値化で正しい情報と感じてしまう

　最高の選択と十分良い選択
　　最初の37%のパートナーで決定しないこと、
　　それ以降に、その時点で一番よかった相手より良い人に出会ったら選ぶ
　80:20の法則 ＝ 結果の80%が原因の20%から生じる　ひずみのある分布

ダニング・クルーガー効果 ＝ 無知な人ほど過大評価する
　　革新的なアイデアが生まれることも

ラット効果　：定量的データの注意、測定効果を扱い、因果関係を理解する

h指数（ハーシュ指数）　論文の引用数　
個別化ランキング
　癌の遺伝子調査による個別化医療のように

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2021/05/20

順位をつけるには、客観的なデータが揃っていて、数値で並べる―――この数字は変えようがない、絶対的なもの。なんて思っていたのは、錯覚でした。

「客観性や合理性には限界がある、アルゴリズムを少し変更すれば結果もランキングも変化する。どのようなランキングでも、結果は完全に合理的・客観的ではない」

本書を読み進めてみると、そもそもデータには恣意性があることに気づかされます。順位づけのための項目の選択や評価尺度に主観が入りこんでいるということ。言われてみれば確かにそうだと、目からうろこが落ちました。

そのように考えると、人と比較すること自体がバカバカしく思えてきました。あの人より上に行こう、と頑張るのではなく、自分が納得いく、魅力のある人間になろう、と思う方が、よっぽど気分が良い。当たり前のことに気づかせてもらいました。