商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2020/12/11 |
JAN | 9784163913063 |
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しのぶ恋
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しのぶ恋
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
浮世絵の七つの名作をモチーフに書かれた短編集。武家娘と水戸藩士の恋心とすれ違いを描いた『太鼓橋雪景色』(安藤広重「目黒太鼓橋夕日の岡」) 身分違いの恋に落ちた水茶屋の娘と武士。実ることはなかったが、十年後に再会する。その十年の間ももお互い心を通わせ合っていたのだけれど…『深く忍恋...
浮世絵の七つの名作をモチーフに書かれた短編集。武家娘と水戸藩士の恋心とすれ違いを描いた『太鼓橋雪景色』(安藤広重「目黒太鼓橋夕日の岡」) 身分違いの恋に落ちた水茶屋の娘と武士。実ることはなかったが、十年後に再会する。その十年の間ももお互い心を通わせ合っていたのだけれど…『深く忍恋』(喜多川歌麿) この2作が好みかな。でも、それぞれが全て違った感じでどれも良かったです。
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諸田玲子氏の浮世絵から生まれた7篇の物語。 忘れないうちに、書き留めておこう。 表紙の浮世絵が、7つあるように、物語も、それに合わせてあるという風流な趣の小説である。 安藤広重 「目黒太鼓橋夕日の丘」 歌川国政 「五代目市川團十郎の暫」 歌川国定 「集女八景 粛そう夜雨」 鈴木晴信 「百物語 さらやしき」 喜多川歌麿 「深く忍恋」 東洲斎写楽 「二世市川麗蔵の亀屋忠兵衛都中山富三郎の梅川」 太鼓橋というと、関西人で、大阪のすみよっさん(住吉神社)の太鼓橋のイメージが、強い。 恋心の2人の待ち合わせた太鼓橋、しかし、弥助は、鉄次郎の伝言をひわに 伝える事はしなかった、 20年も経過してしまったが、未だに、心の隅にその想いは、残っている。 昔は、家の問題もあり、結婚が、当事者同士の恋心だけでは、結ばれることは、なかったのだと。 「暫の闇」は、昔の娯楽というと、やはり、芝居や歌舞伎だったのだろう。 今だったら、映画、ゲーム、アニメと、、、、それでも、オタクは、沢山いる。 江戸時代も、そんな人が居たのだと、・・・ 「夜雨」は、この歌川国定の浮世絵が、赤いけだしで、裾の着物をぎゅっと絞っている女性。 破れ傘が横にあり、頭に手ぬぐいをかぶって、大雨に当たった姿が、よくわかる。 濡れ鼠のようになったおしお。 そして、何ごともない様な素振りで、仕事に精出す弥助。 そんな2人なのだが、・・・仲睦まじく締めくくられていて、はな歌交じりのおしおさんの声が、聞こえそうであった。 「縁先物語り」は、若気の至りで、お嬢様のお初でなく、乳母のたみとの交わりで、無分別と薄情なまま、隠居の身になった英左衛門は、火事でなくなったという場所まで、行って見て、火事の真相と、そこにあった墓石を見つけるのだった。 自分の子供を宿しながら、身を引いたたみを思うと、少し心残り。 「さらやしき」の浮世絵も、なんとも言えない幽霊である。 口から煙が、フ~と漂い、目が、どこともなくうつろさ。 百物語で、鉄蔵は、さらやしきを書き上げてしまったのは、お菊の背後霊が、成した技かも・・・と、思わせてしまうような話である。 「深く忍恋」喜多川歌麿の美人画であるけど、頭のまげを強調して、襟の幅の広さで、首を長く細く描いている。 おりきの女っぷり、そして、麻之助の思いの深さを心に姉妹、昔に戻りたいう気持ちに蓋をして、姿を消す事に・・・ 長煙管の羅宇のようにすげかられたら、・・・・ 「梅川忠兵衛」 取り柄のない女 小梅、人形浄瑠璃の話に、自分もなれるのではないか?と、思って、西国屋のボンボンと、一緒に道行をするのだが、・・・・ 別れてしまって、一緒に居た時が、一番楽しかった事に気が付くのだった。 でも、最後の供え物の饅頭を食べるではなく、呑みこむと、書かれている事は、この小梅のしたたかさというか、物事を深く考えない人格にして、面白さと、卑屈さのない物語りにしていると思った。
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短編集7篇 浮世絵からしのぶ恋をテーマに過去の忘れられない恋や幽霊話やすっとぼけた道行など作者の筆が冴える.船宿のおりきの純情を描いた「深く忍恋」が良かった.
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