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苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日本
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苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日本

伊東達也(著者)

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苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日本

2,860

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青弓社
発売年月日 2020/10/26
JAN 9784787200747

苦学と立身と図書館

¥2,860

商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

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2021/04/04

近代化する日本における図書館の変遷が綴られた一冊。 パブリック・ライブラリーと呼べるものが突如出現した当時、どのような現象が起きたかが解説された研究書です。 読書装置として、学歴獲得手段として、そして勉強空間となっていくのですね。 多くの人の生涯学習を可能たらしめる図書館の存在は...

近代化する日本における図書館の変遷が綴られた一冊。 パブリック・ライブラリーと呼べるものが突如出現した当時、どのような現象が起きたかが解説された研究書です。 読書装置として、学歴獲得手段として、そして勉強空間となっていくのですね。 多くの人の生涯学習を可能たらしめる図書館の存在は当たり前となりましたが、これは簡単には作ることができない高度な社会装置であることを再認識しました。

Posted by ブクログ

2021/03/21

公立図書館には、必ずと言っていいほど「長時間の勉強はお控えください」と席に書いてあるけれど、 この本を見て叫びたくなる。 「昔から、勉強している人、いるではないか!!」 昔とはどれくらいかというと、岩倉使節団の調査の時点ですでに確立していたとのこと。そんな昔から。 じゃあ、現代...

公立図書館には、必ずと言っていいほど「長時間の勉強はお控えください」と席に書いてあるけれど、 この本を見て叫びたくなる。 「昔から、勉強している人、いるではないか!!」 昔とはどれくらいかというと、岩倉使節団の調査の時点ですでに確立していたとのこと。そんな昔から。 じゃあ、現代の追い出される図書館で勉強する人は、どこに行けばよいのか?(特にこのコロナ禍) というのはこれから考え続けようかなと思う。

Posted by ブクログ

2020/12/30

今年はコロナウイルス感染拡大で様々な方面で影響を受けた。あまり目立たないが図書館もその中に入る。 緊急事態宣言発令以来、図書館を閉館したり、再開しても事前予約で貸出しする、新聞や雑誌の館内利用中止、閲覧スペースの利用中止などだ。図書館が利用できない間、書店も閉店している状...

今年はコロナウイルス感染拡大で様々な方面で影響を受けた。あまり目立たないが図書館もその中に入る。 緊急事態宣言発令以来、図書館を閉館したり、再開しても事前予約で貸出しする、新聞や雑誌の館内利用中止、閲覧スペースの利用中止などだ。図書館が利用できない間、書店も閉店している状況だったので、営業している書店をネットで検索して、本を買い求めた思い出がある。 今回の本は、日本における図書館の歴史を振り返った珍しい本なので、思わず手にとって読んでみた。 近代日本の図書館は、欧米から移入された制度だが、日本にも図書館につながる施設があったとして次の2点を著者は指摘している。藩校などの学校の文庫、そして、貸本屋だ。 日本初の国立図書館は1872年に書籍館として設立された。その後、1897年帝国図書館になり、1948年に国立国会図書館法の成立によって現在の国立国会図書館になった。 図書館というと学生や老人が閲覧ルームで利用するイメージがある。実際に行くとよく見かけた。著者は、学生が図書館を利用する起源について図書館の蔵書を利用して勉強する人が増えたからだ。 1890年代には、上京遊学者向けのガイドブックが出版された。主なものとして、「東京遊学案内」(黒川安治編、少年閣、1891年)があった。この本の明治25年版から、学校案内に加えて遊学者が利用できる図書館の案内も掲載するようになった。遊学者とは時代を感じさせるなあ。 それと同時に、医師、弁護士、教師などの職業資格試験制度が新設され、図書館に所蔵されていた資料が試験に役立ったので勉強する場所として重宝された。医学書や法律書のみならず、講義録や試験問題集なども1880年代から図書館に所蔵されていた。今に時代だとさすがに大学の過去問などは見かけないので違いを感じる。 「苦学と立身と図書館」の関係はこれいかにと思ったら、「成功」という雑誌につながりがあった。「成功」は、1902年10月に創刊された。1916年まで、ほぼ月刊で発行されて、1905年には読者数15000人、さらに1908年には発行部数東洋一という広告文を載せていた。さすがに東洋一とは大げさな気がするなあ。この当時、ジャロがあったら問い合わせがあっても不思議ではない。 家柄にとらわれることなく、試験に合格すれば新たな世界が開けてくる。その世界の舞台に立つのを夢見て、「成り上がりたい」とギラギラした人たちがアクセル全開で参考書片手に突っ走る場所として図書館はありがたい存在だったのだな。 著者は、学校の制度と共に発達してきた日本の図書館制度について「この入学試験という制度の影響を大きく受けることによって、勉強空間であり受験道場でもあるという、その独自の性格を形成してきたといえる」としている。 その図書館もコロナウイルス感染拡大で影響を受けて学生が閲覧ルームを利用できなくなっている。コロナ以前からカフェが勉強空間の役割を担ってきている。これから図書館のあり方はどうなっていくのか気になる。

Posted by ブクログ

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