商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/09/28 |
JAN | 9784103515326 |
- 書籍
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象牛
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象牛
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
読書開始日:2022年1月15日 読書終了日:2022年1月22日 所感 【象牛】 やっぱりどこか著者作品は爽快感がある。 本作もとても好みだった。 最終シーンは百年泥と同じくらい爽やか。 ぶらつくか、目的地を決めるか。 全ての過去を「バス!」 目的地へ進み始めた。 片桐、岩本、...
読書開始日:2022年1月15日 読書終了日:2022年1月22日 所感 【象牛】 やっぱりどこか著者作品は爽快感がある。 本作もとても好みだった。 最終シーンは百年泥と同じくらい爽やか。 ぶらつくか、目的地を決めるか。 全ての過去を「バス!」 目的地へ進み始めた。 片桐、岩本、どちらも格好いい。 みなぎる自信と研ぎ澄まされた哲学によるものだ。 とにかく表現がエロティック。 セックスは闇鍋。有は有だが意味は問わない。 大好きな作品 【星曝し】 時系列も世界観もなにもかもバラバラだが、伝えたいことは一貫していたと思う。 諸行無常。 やはり著者インドに精通してるからこそだと思う。 全ては移りゆく。 瞬間瞬間。白熱が時刻を超越するその瞬間。生きていることを感じる。 それを放棄した母親、その放棄を促す毅の父親を元凶とし、放火を決めた。 全ては今は亡き父のため。その父すら瞬間でしか捉えられていない儚さも感じる。 星曝しという架空の風習で描いているが、取っ替え引っ替えは現実でも常だ。 ただ盗んだものは罰のように自分の手から離れない。全ては移ろいゆく諸行無常でなぜか、それらは染み付いて離れない。 谺 往生際ダンス 殴打 なにごともなかったかのようにふるまうしか、象牛に対して打つ手はない 寝物語 突然決断がとび出す 私たちの時間を時計から引き剥がし、もう一度血を流させる 携帯電話に詰まっていた1ヶ月分 それらの羽搏きを風に受けるため私はここへ来たようなもの 魔羅=仏語=人の善事を妨げる悪神。魔王。欲界第六天の王。転じて、悟りの妨げとなる煩悩 (ぼんのう) をいう。魔。 リンガの原意は、しるし。陰陽原理を合体させることが、完全性の表現。 シヴァすなわちリンガは宇宙のオーム ひしとリンガを喰い締めた胎の水路を水がうるおす 相好をくずし 螺髪 部外者アウトサイダー 時計はお払い箱になった 私は彼の膝の下で再度羽搏く 新しい男を見つけ だがこのような急拵えの家庭もどき夫婦もどき、抵抗力の低下した肉体同様、軽微な傷であっけなく化膿するのは世の常 せめて爛れ尽くすことでこの圧倒的不浄を焼くのか 不如意 犬の鍋 蒙る 論文=巡回=猿 頭のてっぺんから、すこーんと、ちからをぬけばぽかりと浮く 愛のよだれ 次の逢瀬をねだるがごとく受話器を耳に当て、あてどない夜に向かい 錆色 もしもし、夜のさいはての地方から、四ヶ月前のからの声が遅れて届く セックス=ラタ=闇鍋。くるっと反対のものも全部が混ざる。溢れ出す。有は有だが意味を持たせなくてもいい。 色事にはもれなく俗臭がついてくる 荼毘 穴兄弟が怖くて女が口説けると思うか 月の光だけを着て男の前に立つ 【星曝し】 息む 図書室=すでに世界は居心地の良い場所ではないと感じている子供たち いくたび繰り返された不毛な話し合いの、不毛な要約 私は祖母の法螺話に敬意を示した 瞬間しかいらない 私たちの一生にはいくつかの顕著な時刻が点畷されていて、それらは魂の白熱が私たちを覆い尽くす、あの類稀な瞬間瞬間で成る。これが真実の時間なのではないか 盗んだものは罰のようにその手を離れない うめく時計の音
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ちょっと衝撃的にわけのわからない2篇を収録した1冊。タイトルの「象牛」はインド、もう1篇の「星曝し」は大阪を舞台にしている。そもそも“象牛”とはなんぞや? というところから始まり、男女の生殖器にそっくりな“リンガ茸”なる生物も登場する。普通に読めばまあ真っ当な小説ではあるのだが、...
ちょっと衝撃的にわけのわからない2篇を収録した1冊。タイトルの「象牛」はインド、もう1篇の「星曝し」は大阪を舞台にしている。そもそも“象牛”とはなんぞや? というところから始まり、男女の生殖器にそっくりな“リンガ茸”なる生物も登場する。普通に読めばまあ真っ当な小説ではあるのだが、なにしろ生も死も性も渾然としたインドで、謎の存在と共に時空も入り乱れているので先の感想となった次第。「星曝し」も相当に奇っ怪な話であった。この作家さん、好きかも。
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