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危機と人類(上) 日経ビジネス人文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日経BPM |
| 発売年月日 | 2020/10/02 |
| JAN | 9784532199890 |
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危機と人類(上)
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商品レビュー
3.9
8件のお客様レビュー
国家的危機に直面した過去の事例から、現代の人類が直面する課題を考察する本書は、歴史を通じて学ぶべき教訓を明らかにします。フィンランドやチリ、日本の黒船来航など、多様な国の危機対応を取り上げ、どのように選択と変革を成し遂げたのかを12の共通要因から分析しています。特に、日本の明治維新は、危機を乗り越えるための模範的な例として描かれ、当時の国民の認識と行動がいかに重要であったかを示しています。著者は、複雑な現象を明晰に解説し、現在の日本やアメリカが抱える問題にも触れながら、未来への指針を提供します。文庫化にあたり、コロナ禍の影響も考慮された序章が追加され、時代の変化に応じた新たな視点が加わっています。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
『危機と人類』を読了。 本書では、心理療法などで語られる「個人が危機を克服する条件」を国家レベルに置き換え、12の要因を使って各国の危機を比較していく。発想としては面白いし、実際に読んでいて勉強になる部分も多かった。 特に印象に残ったのは、フィンランド、チリ、インドネシアの章...
『危機と人類』を読了。 本書では、心理療法などで語られる「個人が危機を克服する条件」を国家レベルに置き換え、12の要因を使って各国の危機を比較していく。発想としては面白いし、実際に読んでいて勉強になる部分も多かった。 特に印象に残ったのは、フィンランド、チリ、インドネシアの章だった。どの国も自分にとっては詳しく知っていたわけではなく、危機の中で国家がどう判断し、どのように立て直していったのかを知る入口としてかなり刺激的だった。また、「問題そのものより、まず問題を問題として認識できるか」という視点も印象に残った。危機が存在していても、それを危機として共有できなければ対応は始まらない、という考え方は国家だけでなく個人や組織にも当てはまりそうに思う。 一方で、本書の中心に置かれている12の要因そのものは、読後にはあまり強く残らなかった。各国の事例を整理する枠組みとしては機能しているものの、国家がなぜ危機を克服できたのか、あるいはできなかったのかを深く説明する理論としては少し物足りない。 日本については、明治維新期の対応をかなり高く評価する一方で、現代日本にはなかなか厳しい。少子高齢化や人口減少、女性の地位、移民など、問題として挙げられている点自体はおおむね妥当だと感じた。ただ、それらがなぜ長年解決されずに残っているのかという説明は弱いように思う。 たとえば少子化や人口減少は、日本で問題として認識されてこなかったわけではない。それでも十分に対応できなかったのであれば、本当に知りたいのは「問題を認識できるか」だけではなく、「問題を認識していても、なぜ制度や政策を変えられないのか」という部分である。そこには政治制度や既得権、社会慣行など、もっと複雑な要因があるはずで、本書ではそこまで踏み込まれていない。 ただ、個人的にかなり好きだったのは、ダイアモンドが国家や文明の大きな話をしている途中で、急に自分の身近な人間関係のエピソードを持ち出すところだった。本書でも、20代と70代の女性と食事をしていた際、20代の女性が交際相手から突然別れを切り出された話から、70代の女性が会ったこともないその男性の性格をある程度見抜いていた、という話が出てくる。そこから「多くの人間を知っていれば、まだ会ったことのない人間や、その人が取りそうな行動まである程度予測できるのではないか」と話を広げ、さらにそれを国家や民族の比較にまで一気に飛躍させる。 この飛躍には、本書の弱点も表れているように思う。個人について成り立つことを、そのまま国家にも当てはめてよいのかという疑問は最後まで残った。ただ、こうした身近な経験から大きな問いへ飛んでいくところは、いかにもダイアモンドらしくて私は結構好きだった。『銃・病原菌・鉄』でもそうだったが、人との交流や個人的な経験から発想を得て、それを世界規模の問いにまで広げていく。その思考の動き自体が、彼の本を書く原動力の一つなのだろうと感じた。 この点は日本に限らず、各国の章にも共通して感じた。広く学ぶには面白いが、一国ごとの掘り下げは浅く、その国を本当に理解したいなら別の専門書が必要になる。本書に書かれていること自体は大きく間違っているとは思わないが、最終的にはやや概論的で、教訓的な話にとどまっている印象が残った。 著者自身も最後に、この試みを十分に行うには残された時間が足りないという趣旨のことを書いている。本書だけでも執筆に6年かかったというのだから、これだけ多くの国を比較しながら深く掘り下げること自体が、かなり難しい試みだったのだろう。 もう一つ気になったのは、本書が「危機を認識し、必要な改革を行うこと」を基本的に前向きなものとして扱っている一方で、危機への対応そのものが新たな危機を生む可能性については、あまり掘り下げていないように感じたことだ。実際には、大規模な制度改革や既得権の見直しは、社会の分断や反発、政治的不安定を引き起こすこともある。変わらないことで生じる危機だけでなく、変わろうとすることで生じる危機もあるはずで、その両方をどう調整するかという視点がもう少しあれば、本書の「危機克服」の議論はさらに深まったように思う。 (改革・危機対応の副作用は事例として登場するが、それを12要因と同程度の明示的な分析軸にはしていない) 『銃・病原菌・鉄』を読んだときのような、世界の見え方が変わるほどの知的な衝撃はなかった。ただ、知らなかった国の歴史や危機を知る入口としては十分に有益だった。 広く知るための本としては面白い。しかし、国家がなぜ危機を克服できるのか、その仕組みを深く理解するための本としては少し足りない。 評価は3.0。
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フィンランドの事例。 西側とのゲートウェイになることで、ソ連が併合したくなる動機自体をなくしてしまうよう立ち回る。
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複雑な現象を要因にばらして分析するスタイルが、以前の著書である『文明崩壊』に似ている。この明晰さはさすがである。 この本において、「危機」の定義や、事例の選択(自分のよく知っている国)はそれほど重要ではなく、やはり今のアメリカでの二極化への懸念が書かせたものだろうとおもう。そこ...
複雑な現象を要因にばらして分析するスタイルが、以前の著書である『文明崩壊』に似ている。この明晰さはさすがである。 この本において、「危機」の定義や、事例の選択(自分のよく知っている国)はそれほど重要ではなく、やはり今のアメリカでの二極化への懸念が書かせたものだろうとおもう。そこで単に二極化を嘆くにとどまらず、他国の歴史に教訓を求めてここまでの形にしてしまうのだから多芸にも程がある。 冒頭で「比較論的で叙述的で探索的な研究である」とわざわざ断っているのは、いろいろ批判もされて気にしているのだろうか。ついでに、テーマによっては計量的研究もするよ、と言っているのが何だかおかしい。
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