商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/08/27 |
JAN | 9784103535119 |
- 書籍
- 書籍
雑貨の終わり
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
雑貨の終わり
¥2,200
在庫あり
商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
『すべての雑貨』を読んだときは、お店を訪れたことはなかったと思う。どこにあるのかなと思っていて、行ってみたいなと。 今では何度かお店に行ったことがあるので、お店のことを思いながら読むと、一層おもしろかった。 うんうんと共感したり、そうなんだぁと思ったり。でもなぜか、読み終わると忘...
『すべての雑貨』を読んだときは、お店を訪れたことはなかったと思う。どこにあるのかなと思っていて、行ってみたいなと。 今では何度かお店に行ったことがあるので、お店のことを思いながら読むと、一層おもしろかった。 うんうんと共感したり、そうなんだぁと思ったり。でもなぜか、読み終わると忘れていて、ページをぱらぱらと繰り直して、そうだった、こんな話だったと思い出す。 それは、つまらなかったということではなく、私の中にすーっと入っていく感じで、私にとってはよい本。今後、何度も読み返したくなるだろうし、何度も楽しめる本。 『すべての雑貨』をまた読み直したいし、次の『波打ちぎわの物を探しに』も読みたい。この本が出てから数年経っていて、世の中的にも、いろいろな価値観が変わっている中で、三品さんが何を感じ何を考えたのか、気になる。
Posted by
『すべての雑貨』の著者による2冊目のエッセイ集。 前作に比べて文章に隙がなくなった。『すべての雑貨』もすごく読ませる文章だったけど、店のレジカウンターからぐちぐち聞こえる独り言に耳を傾けているような親しみやすいどうしようもなさがあって、ベンヤミンやクンデラの名前がぽこぽこでて...
『すべての雑貨』の著者による2冊目のエッセイ集。 前作に比べて文章に隙がなくなった。『すべての雑貨』もすごく読ませる文章だったけど、店のレジカウンターからぐちぐち聞こえる独り言に耳を傾けているような親しみやすいどうしようもなさがあって、ベンヤミンやクンデラの名前がぽこぽこでてくると同時に、「雑貨スタイリストにはなりたくない」と何度も呪詛のように唱えたり、ホットポーの存在を思いださせてくれたりするのが楽しかった。本作は冒頭に置かれた「息を止めて」から完成度が高くて脇が固い。その変わりように少し寂しさを感じていたら、高校時代の担任教師を「担任の女」(男は「男性教師」なのに!)、ディズニーランドで映えを求める女性たちを「女豹」と呼ぶくだりがでてきて、「隙だ!」と喜んでしまった。私は三品さんをかなり好きになっているのかもしれない(笑)。 無印良品考、ミニマリズムとシェーカー教徒、個人経営の”ほっこり”したパン屋や和食屋の雰囲気をそのまま再現したサイレント・チェーン店など、ぼんやりしていると見逃してしまう消費の世界の事柄を著者の視点で拾っていく。”ほっこり”コンセプト料理屋のくだりででてくる「コンセプチュアルなパートのおばあさん」というキラーワードには笑ってしまった。ディズニーランドやアニメが世界の雑貨化に果たした役割も論じられている。名前が挙がってないけれど、ジブリが植え付けた”憧れの生活”観の影響もただならないものがあると思う。 一つ疑問だったのは、悪い意味での「なんでも雑貨にしてしまう感覚」を、「この島国特有の」とか「日本ならではの」と表現していたこと。その比較対象が常に欧米なことも不思議ではあるのだが、仮に欧米と比べたところで、それは現代日本特有の雑貨感覚とは呼べないんじゃないだろうか。というのも、本書と同時に藤井光のアメリカ文学ガイド『ターミナルから荒れ地へ』(2016)を読んでいたのだが、ここで語られているアメリカ文学の〈ターミナル化〉〈荒れ地化〉という概念が三品さんの言う〈雑貨化〉にとてもよく似ているのだ。本書で紹介されているムジ・ホテルの理念なんて、『ターミナル~』に引用されているトカルチュクの文章そっくりであり、むしろグローバル化が地球単位の雑貨感覚をつくりだしているのではないだろうか。 「息を止めて」をはじめ、個人的な記憶を書きとめたエッセイはどれもすばらしい。疎遠になった友人もの、というジャンルがあれば無双できるだろうというくらい上手いのだが、「釣りびとたち」はほとんど恋愛になる手前のようなできごとがあったあとで友人が姿をくらましてしまうという、ドキドキして寂しくなる話だった。お父さんの事業失敗が笑えるレベルじゃなかったとわかる「ホテルの滝」、そして最後に置かれた「水と空」。祖父の友人の奥さんという、ゆるいけれどかけがえのない繋がり。女ばかり生き残った高齢者だらけのマンションで映画鑑賞会をやっていたなんて理想の生活のようだけど、都市生活者特有の陰も差している。堀江敏幸みたいに仕上がっているな、と思ったら、堀江さんが本書の書評を書いていた。 ”ていねい”がブランディングされ、揶揄の対象にまでなって久しい今、自分が何を買おうとしているのかについてじっくりと考えてみてもいい。その結果、雑貨化した世界の無秩序なラベルに目がちらつき、ふたたび迷路に迷い込んでしまうとしても。
Posted by
雑貨に関連した短編が13.著者のものは初めて読んだが、何か知らない街を歩いて、これまで興味がなかったものに取り付かれてしまったような不思議な感覚だ.登場人物が未知の人ばかりで驚いた.村上春樹、大橋歩くらいは知っていたが、雑貨に絡む人は知られていないのかもしれない.著者は目の付け所...
雑貨に関連した短編が13.著者のものは初めて読んだが、何か知らない街を歩いて、これまで興味がなかったものに取り付かれてしまったような不思議な感覚だ.登場人物が未知の人ばかりで驚いた.村上春樹、大橋歩くらいは知っていたが、雑貨に絡む人は知られていないのかもしれない.著者は目の付け所が特殊で、独特の嗅覚や眼力を持っている人のようだ.
Posted by