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真実の原敬 維新を超えた宰相 講談社現代新書2583
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真実の原敬 維新を超えた宰相 講談社現代新書2583

伊藤之雄(著者)

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真実の原敬 維新を超えた宰相 講談社現代新書2583

990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2020/08/19
JAN 9784065206218

真実の原敬

¥990

商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2023/08/20

・原は伊藤や大隈と違い、生年やバックボーンから「潜在的なイギリスへの脅威はそれほどなく、アメリカの台頭という変化を受け入れやすかった」という視点がとても勉強になりました ・賄征伐エピソードが掘り下げられてるのが面白い ・第一次護憲運動のとき、原は世論でなく輿論を尊重したため距離を...

・原は伊藤や大隈と違い、生年やバックボーンから「潜在的なイギリスへの脅威はそれほどなく、アメリカの台頭という変化を受け入れやすかった」という視点がとても勉強になりました ・賄征伐エピソードが掘り下げられてるのが面白い ・第一次護憲運動のとき、原は世論でなく輿論を尊重したため距離を取った、という解釈は、長年近現代史に向き合ってこられた方だからこその見地だなあと思ったり

Posted by ブクログ

2022/03/14

①原敬の特徴として、幅広い知見、経験を挙げることができる。 若い時にフランス、中国、朝鮮に駐在した豊かな海外経験、新聞社(含む経営)での勤務、古河鉱業への経営としての参画。今の政治家と比べても、特筆できる多面的なキャリアを持つ。 特に民間企業での経験が活かされていることは、政治家...

①原敬の特徴として、幅広い知見、経験を挙げることができる。 若い時にフランス、中国、朝鮮に駐在した豊かな海外経験、新聞社(含む経営)での勤務、古河鉱業への経営としての参画。今の政治家と比べても、特筆できる多面的なキャリアを持つ。 特に民間企業での経験が活かされていることは、政治家になってからも公利の中にあっての民活を意識していたことからも分かるし、政策に実効性が伴っていたのだと思う。 また、新聞社での勤務経験は、大正デモクラシーの中で政治家としても武器として使えたのであろう。(大隈重信の人気も早稲田閥を中心とした新聞社の力が大きかった) ②日本の近代化にあって、実力社会が活きていた。 藩閥政治の中でも、非藩閥の原敬が首相にまでなれたのは、同じように実力でその地位を築いた陸奥宗光の背中を見てきたからだろう。原敬が陸奥を尊敬していたことの理由がよく分かる。なお、陸奥が外務大臣の時に原敬と組んで外交官になるための試験制度を作り、実力主義を徹底させたことは有名な話。当時、弱小な日本が外交面で秀でていた理由はここに原点がある。 ③原敬(内閣)の外交政策はアメリカ重視。 第一次世界大戦後、アメリカと日本の台頭が顕著となり、お互いに対立してくる。 そのような環境の変化の中で、原はアメリカとの関係を第一にしていた。 歴史にIFが許されるのであれば、原敬が暗殺されなければ、太平洋戦争も避けられたかもしれない。 また、日中親善を考えていた。 端的に言うと、世の中の大きな潮流を自らが確りと理解していた、ということ。 (なお、原敬は政治活動の狭間で約6カ月の外遊を行っており、特にアメリカに注目し長く滞在した模様) 最後に原内閣の特徴として、政党内閣が軍と宮中の統制を果たしていた、ということを挙げたい。 言い換えると、彼の暗殺により、政党内閣のその可能性が失われ、暗黒の昭和時代に入ってしまう。 以下抜粋~ 原は、立憲政治家としては一番格好のついた人のようにみえますね。 外の人に比べてみれば、政治ということを除いて人生の意義に徹していた。言葉を換えて言えば、人生に対する一つの哲学を持っている。そこに徹底していた。 政治は人生のすべてではないのだ。 人生の中の一部のもので、かなり人間が興味を持つものである。 だから人生によく徹底した眼で見て政治をやっているのだから、原敬の身体自身が政治ではない。だからあの人の政治はゆとりがある。人生に対する一つの哲学を持っている。それで政治をやっている。 それで見方に依っては垢抜けをしている。

Posted by ブクログ

2020/12/05

日本で初めて本格的な政党内閣を組織し、「平民宰相」と呼ばれた原敬の「泥臭い利益誘導政治家」というイメージを払拭し、実証的にその実像を描こうとしている。 著者には、既に『原敬―外交と政治の理想』という大部の評伝があるが、本書はそれを簡潔にまとめるというだけではなく、新たな視点も含め...

日本で初めて本格的な政党内閣を組織し、「平民宰相」と呼ばれた原敬の「泥臭い利益誘導政治家」というイメージを払拭し、実証的にその実像を描こうとしている。 著者には、既に『原敬―外交と政治の理想』という大部の評伝があるが、本書はそれを簡潔にまとめるというだけではなく、新たな視点も含めて論じられている。 それは第一に、原が、木戸孝允・大久保利通・岩倉具視・伊藤博文・明治天皇らが協力して達成した明治維新と近代国家形成を受け継ぎ、「イギリス風の立憲国家をつくる」という、その究極の目的を実現すべく尽力したという点である。 第二に、原が第一次世界大戦中から大戦終了後に形成される、アメリカの台頭による新しい国際秩序をほぼ正しく予測し、それに適応する構想を展開させ、原内閣で本格的に実施し始めるという点である。 第三に、原が「公利」という現代の公共性につながる考えを、青年期に学んだことを踏まえ、原が障害にわたって国家と国民のあるべき関係をどうとらえていたか、という原の思想を系統的に考えるという点である。 第四に、原の成長過程で、原の思想や行動に大きな影響を及ぼした母リツ、中江兆民、陸奥宗光、伊藤博文といった人との関わりと、その特色を、さらに明確に示すという点である。 ところどころ原に対する好意的に過ぎると思えるような解釈も散見されたが、原が公共性に対する意識を強く持った、現実に立脚した長期的ビジョンをもった政治家であるということはよく理解できた。特に、普選運動に安易に同調せず、漸進的な改革を目指したところに、原のリアリズムを感じた。

Posted by ブクログ

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