商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2020/08/10 |
JAN | 9784622089063 |
- 書籍
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マーシャル・プラン
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マーシャル・プラン
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商品レビュー
4.5
3件のお客様レビュー
【スターリンにとって軍事化は、マーシャル・プランの副産物だったが、トルーマンにとってNATOは、計画実行に伴う予想外の悔やまれるコストだったのである】(文中より引用) アメリカ外交の成功譚として語られることも多いマーシャル・プラン。史上空前の「寛大な」外交政策はいかにして生まれ...
【スターリンにとって軍事化は、マーシャル・プランの副産物だったが、トルーマンにとってNATOは、計画実行に伴う予想外の悔やまれるコストだったのである】(文中より引用) アメリカ外交の成功譚として語られることも多いマーシャル・プラン。史上空前の「寛大な」外交政策はいかにして生まれ、対抗するソ連にはどう捉えられていたのか。著者は、米外交問題評議会のシニア・フェローを務めるベン・ステイル。訳者は、重量級の作品を数多く翻訳している小坂恵理。原題は、『The Marshall Plan: Dawn of the Cold War』。 圧巻の一言。今日まで続く誤算と誤解の積み重ねを、マーシャル・プランというターニング・ポイントに立ち返ることで丹念に紐解いていく筆が凄まじい。なぜマーシャル・プランという経済支援の外交政策が、ソ連にとって安全保障上の強い意味合いを持つものだったかがとてもよくわかりました。 尋常ではなく分厚いですが☆5つ
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アメリカが大英帝国に代わる覇権国家として覚醒する瞬間。同プランを米史上最高の外交政策と捉え、ケナン、アチソン、クレイ、ヴァンデンバーグらを英雄として描写する。反対に前政権のFDRやモーゲンソー、冷戦後のクリントンやオルブライトは厳しい評価に。
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欧州の共産主義化や全体主義化、社会主義化を阻止するため、米国は主導しマーシャル・プランを通じて欧州に資本供与することで欧州内の商業的なつながりを復活させた。今ではピンとこないが、各国の国内で共産党が草の根的な活動していた時代である。そして、西ドイツと欧州各国の繋がりを強化し西ドイツの市場経済を発展させた。 一方、市場経済の発展を背景に、ドイツをめぐる米国とソ連の綱引きはNATO同盟とワルシャワ条約機構の対立となるが、東西ドイツの統一に向かう時代の流れがつくられ、1989年のベルリンの壁の崩壊、そしてワルシャワ条約機構の解体、そしてソ連の崩壊へとつながった。 冷戦時の緊張感がよく伝わってくる読み応えのある一冊だ。 そして… 米国とソ連(ロシア)の対立が、2001年9月11日のイスラーム過激派テロリスト集団アルカイダによる米国同時多発テロ事件につながり、経済では「新自由主義(ネオリベラリズム)」が貧富の格差を生む一方で、欧州経済の弱体化を招き、貧富の格差を背景に宗教や民族の対立による難民やテロの問題が生じている。 そして、本書で中心的な役割を担っていた国が今では自国Firstと声高に叫び、次の覇権を狙う大国は、世界の各大陸で金を貸し首が回らなくなると利権を手に入れ、貪欲に自国の経済発展を進めている。 まったくイヤな御時世だが、いつの時代も時世とはそんなものなのだろう。
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