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魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ NHK BOOKS1264
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魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ NHK BOOKS1264

島泰三(著者)

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魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ NHK BOOKS1264

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2020/07/27
JAN 9784140912645

魚食の人類史

¥1,540

商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2021/11/27

なぜ霊長類の中でもホモ・サピエンスだけが積極的に魚を食べるのか、という帯に惹かれて手にとってみた。 学者さんの作品らしく最初は読みにくいな、と思ったのだけど…なんというかくどいんだよね。「積極的に」というところがミソで例えば干上がった池で魚を拾って食べる猿は確かにいるのだけど…み...

なぜ霊長類の中でもホモ・サピエンスだけが積極的に魚を食べるのか、という帯に惹かれて手にとってみた。 学者さんの作品らしく最初は読みにくいな、と思ったのだけど…なんというかくどいんだよね。「積極的に」というところがミソで例えば干上がった池で魚を拾って食べる猿は確かにいるのだけど…みたいなのが続くとちょっとめんどくさくなるんだけどそこを抜けるとかなり興味深い言説が現れる。屈強で身体能力も知力も高かったネアンデルタール人と比べて非力なホモ・サピエンスは水際に追いやられやむなく魚を獲って食べ始めたところから発展が始まったのではないか、という話。発掘された人類の歯型から何を食べていたのかを推測したりするのだけど側面的に補強する検証の過程が楽しい。例えば農耕はメソポタミア地方で穀物の栽培から始まった、という定説に対して、いきなり穀物はハードルが高い、例えば稲作は苗床を作ったり収穫しても脱穀したりなんやかんやと手がかかるのだけど、作者はアジアで魚食から始まって水際でタロイモのようなものを栽培するところから始まってそこから同じく水辺に生えていたイネを育て始めたのが農耕の始まりではないかという提起をする。面白いのは、というと不謹慎だけど太平洋戦争中に孤立した日本軍の手記からも、例えば最初はバナナを発見してそればかり食べているのだがカリウム摂取過多で体調を崩して他の食糧を探す中で原始的な釣り竿を作ってみると慣れていない魚が餌をつけなくてもたくさん採れた、とかそういう話も引用して説を補強していくところなどが興味深い。そもそも脳が大きくなったのもEPA/DHAの摂取が効いているのでは等々、非常に興味深かった。もう少し読みやすくするとよいのに、という印象。

Posted by ブクログ

2020/11/01

★★★★☆としましたが、★★★★★と迷いました。 ★★★★★にしなかったのは、若干、看板に偽りあり、という印象を受けたため。 とくに前半は、人類史やヒトの進化の話が中心で、魚食はおまけ程度しか出てこなかったので。 しかしながら、全体を通していえば、人類史やヒトの進化に関する、か...

★★★★☆としましたが、★★★★★と迷いました。 ★★★★★にしなかったのは、若干、看板に偽りあり、という印象を受けたため。 とくに前半は、人類史やヒトの進化の話が中心で、魚食はおまけ程度しか出てこなかったので。 しかしながら、全体を通していえば、人類史やヒトの進化に関する、かなり新しく、それでいて確度の高いと思われる情報がしっかりと盛り込まれていて、興味深く読むことができました。 ジャレド・ダイヤモンドやユヴァル・ノア・ハラリなどによる、これまで名著と言われていた書籍についても、矛盾点を的確に指摘していて、学問の進歩を感じると同時に、真理の追究に対する著者の真摯な態度を感じました。 それでいて、決して攻撃的な文体ではなく、すべてを包み込むような書き方であり、著者の懐の深さ、というか、度量の大きさも感じた一冊でした。

Posted by ブクログ

2020/10/21

人類のユーラシア大陸への拡散は魚食がもたらした?ヒトの魚食の歴史を探求する知的好奇心をくすぐる1冊。 ウシ、ブタなどの家畜、コメやムギ、トウモロコシ、タロイモなど主食となる食物については多くの本があるが、本書は魚食がテーマというおそらく珍しい作品。猿類は基本、魚を食べない。ヒト...

人類のユーラシア大陸への拡散は魚食がもたらした?ヒトの魚食の歴史を探求する知的好奇心をくすぐる1冊。 ウシ、ブタなどの家畜、コメやムギ、トウモロコシ、タロイモなど主食となる食物については多くの本があるが、本書は魚食がテーマというおそらく珍しい作品。猿類は基本、魚を食べない。ヒトがどの時代から魚を捕まえ食べるようになったのか。そのプロセスを示した作品。 筆者はもともと漁師の家系のサル学者だという。専門分野と両親や祖先を探る、この二つの奇跡のコラボで生まれた傑作。

Posted by ブクログ

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