商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2020/06/08 |
JAN | 9784120053115 |
- 書籍
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憂き夜に花を
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憂き夜に花を
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3.8
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火事と喧嘩は江戸の花。じゃあ花火は? 「浮世→憂き世→憂き夜」と遊んでいるのが面白く、一目惚れで手に取った。 非常時の状況は違えど娯楽、エンターテイメントが真っ先に憂き目に遭うのは変わらず。人が絶望に落ちたり自暴自棄になるのも嫌でも今と重なってしまう。余談の少ないシンプルな語...
火事と喧嘩は江戸の花。じゃあ花火は? 「浮世→憂き世→憂き夜」と遊んでいるのが面白く、一目惚れで手に取った。 非常時の状況は違えど娯楽、エンターテイメントが真っ先に憂き目に遭うのは変わらず。人が絶望に落ちたり自暴自棄になるのも嫌でも今と重なってしまう。余談の少ないシンプルな語りだからか、人々が放つ無気力オーラがよりストレートに伝わってくる。 生きてく中で必要な無駄もある。何としてでもみんなを奮い立たせようと奮闘する弥兵衛達にこちらも熱くなる。 「世の中妬むしかできねえような料簡で一丁前に語ってんな、このひょうろく玉が」 今になってもお上への不平不満が周囲や街頭インタビューで聞こえてくる中、弥兵衛の叱咤と激励は自然と刺さってくる。 大名へ直接売りに行き、下々の者はその「おこぼれ」を見物するのが元々の花火ビジネスってのが初耳! 「かぎや」も花火屋の屋号ってことしか知らず、隅田川花火大会の発端から掛け声に込められた想いに至るまで知らないことだらけ。今は写真や動画があるけれどその頃は絵に残すくらいしか出来なかった。でも形では残らない分、人々の記憶にはくっきり残る。 このドラマが美談と片付けられたらそれまでだけど、今も同じ憂き世だからこそ心に迫り身に沁みるものがあった。 やっぱり江戸の花はもう一つある。 それも他と引けを取らず生命力に溢れていた。
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飢饉の折、うまくいかない商売を、どうにかできないかと、足掻く花火師の話。 本人は、今日食べるご飯もない、という所からは少し離れている。その少しの余裕が、話に余白を与え、読みやすくしているのかもしれない。 読後感もよく、胸の熱くなる、オススメの一冊。
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橋の上 玉屋玉屋の声ばかり なぜに鍵屋と いわぬ情なし ー江戸の狂歌 のことぐらいしか 知りませんでした その「鍵屋」さんが 大川(隅田川)の花火大会の元祖に なっていく そのことを題材にして 綴られた時代小説 物語の進展もさることながら おそらく「花火師」への取材もかなり...
橋の上 玉屋玉屋の声ばかり なぜに鍵屋と いわぬ情なし ー江戸の狂歌 のことぐらいしか 知りませんでした その「鍵屋」さんが 大川(隅田川)の花火大会の元祖に なっていく そのことを題材にして 綴られた時代小説 物語の進展もさることながら おそらく「花火師」への取材もかなり入念に されているであろう その「花火作り」の描写が とても興味深いものでした
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