あめかっぱ

むらかみさおり(著者)

• 販売会社／発売会社: 偕成社
• 発売年月日: 2020/06/05
• JAN: 9784033327600

商品レビュー

2024/04/30

4歳4ヶ月。購入した絵本。
島根の旅をした時に素敵な古本屋の一角に並べられた絵本の中から選んだ。
最近雨が多かったし、なんだかそんな天気に合わせた絵本も欲しくなって立ち読みもせずにこの本を買った。

わたしも雨の音や雨の日にぼうっとする時間は好きだけど、雨の魅力を表現する力が足りない。
でもわかる。この作家さんは雨が好きだし、雨の魅力を教えてくれるひとだ。
読み聞かせしているとこんなに素敵な絵本なのに、この挿絵からちょっと目線を変えて立ち止まって、「ああ、そう、この景色で音だよな」と忘れかけてた匂いや風景を想像して間合いを持って読んでしまう。

それはいろんな小難しい言葉が並べられているわけじゃないのに「雨の中の立ち上がる煙」なんかも出てきてもう言葉選びのセンスの良さを感じてしまう。

そうして、「雨がたくさん降ったから」船を動かし、出会えるあの大きな木のアスレチック。「みんなで雨宿りをする最高の贅沢」

ああ、そうか。雨が降るとこの大きな水たまりができる幸せがあるんだ。雨は幸せな天気なんだと感じられるのだ。

小さな子どもたちの憂鬱な雨の日のお留守番が、やさしいカッパたちに連れられて雨の日しかできないピクニックの時間にかわる。

「雨の日に　子どもが　おるすばん　するときは、
かっぱと　いっしょに　すごすんですよ。
だから、この町のお母さんは　とっても安心」

私事だけど、わたしには小さな4歳の息子がいて
ひとり、息子を留守番させてで出かけるだとか、かっぱがいるから安心して出かけようなんて状況なんてまだいまは考えにも及ばない。

それにしてもここ最近の息子といえば母ちゃんがついてこなくてもできるぞと、何かとアピールするし、公園でも友だちとの世界を作りたがる。
母ちゃんいなくて泣いてるばかりだった世界から一歩進んだような位置にいて、ちょうどそんなこともあいまってこの絵本にすこし意味を持って読んでしまった。
雨が上がって晴れ間を見せる頃に終わる「ちょうど雨の時間だけ」のピクニック、ちょうどただいまとママがケーキを持って帰ってくるくらいが長すぎず短すぎない適度な冒険なんじゃないだろうか。

絵本がそんなことまで語ってはないだろうけど、育児中の読み聞かせはただ読んで聞かせるものでは終わらないものだ。

さて息子の反応だけど初めての絵本にドキドキしながらも「もう一回読んで」「もう一回読んで」と保育園から帰って寝るまでに3回も読んだ。

いまはいびきをかきながら、雨音をバックにあっちの枝からこっちの枝に渡り遊ぶ楽しい夢を見てるんじゃないだろうか。

2023/12/16

雨の日の河童との交流。少し不思議な雰囲気の絵本。絵が細かくすごく綺麗で息子も楽しんでた。雨の日にぴったりな一冊。

2023/05/25

「あめのひに　こどもが　おるすばん　するときは、かっぱと　いっしょに　すごすんですよ。だから　このまちの　おかあさんは、とっても　あんしん」
雨の日にうちにやってきた「かっぱ」とピクニックにでかける　なおちゃん。
森の「あめのひのおみせ」でおやつを買って、ふきの傘も買って、なおちゃんとかっぱが向かったのは。

いきなり家にやってくるかっぱが不気味だったけど、森でこんな風に過ごせるのはすてき。
ちょっと某どんぐり好きな大きなヤツを思い出しちゃったり、森が沈んでいるのはまんまるお腹の子を思い出しちゃったりしたけれど、そんな「やってみたい！」が詰まった雨の日の楽しい1日。

「あめのひに　みんなで　あまやどり。これ、さいこうの　ぜいたくです」