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焼酎の履歴書 発酵と蒸留の謎をひもとく
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焼酎の履歴書 発酵と蒸留の謎をひもとく

鮫島吉廣(著者)

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焼酎の履歴書 発酵と蒸留の謎をひもとく

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 イカロス出版
発売年月日 2020/06/01
JAN 9784802208765

焼酎の履歴書

¥2,400

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2022/01/09

「さつま白波」で有名な薩摩酒造を30年間技術者として支え、後に鹿児島大学農学部教授に着任した著者が、焼酎の源流を自ら訪ねてていねいにたどっていく一冊。巻末の年表は圧巻。これだけで買う価値あると思う。 飲用アルコールの蒸留は、紀元前4世紀ごろからすでに行われていたが、現在につなが...

「さつま白波」で有名な薩摩酒造を30年間技術者として支え、後に鹿児島大学農学部教授に着任した著者が、焼酎の源流を自ら訪ねてていねいにたどっていく一冊。巻末の年表は圧巻。これだけで買う価値あると思う。 飲用アルコールの蒸留は、紀元前4世紀ごろからすでに行われていたが、現在につながる製法や品質管理が確立されるのは、自家醸酒が禁じられた1899年以降のこと。 中国の個体発酵、蒸留を製法とする白酒を祖とする焼酎が、琉球に伝わり、やがて薩摩へ伝来し、そこから本格焼酎(乙類焼酎のうち添加物のないもの)が飛躍するまでの文化の歴史は、しらふで読んでいるだけで、とても興味をそそられる。 もともと、個体発酵したもろみから高濃度のアルコールを蒸留する焼酎に類する酒づくりは、おもに温帯~熱帯に位置する東南アジアには広くみられる酒造方法である。 日本においては低温環境での発酵管理を必要とする清酒は上級武士の飲む酒、イモ類、穀類のでんぷん由来のもろみから蒸留する焼酎は庶民の酒と位置付けられてきた。技術革新と地道なプロモーションの成果としうて、今や、百花繚乱の焼酎文化を築くに至った。 泡盛づくりに使っていた黒麹が後に生酸菌であることが分かり、発酵過程で生成されるクエン酸などが汚染を防止、さらに蒸留することで酸味を分離できることから、焼酎の製造に革命をもたらした逸話など、興味深いエピソードが盛りだくさん。 余談だが、明治中期には国税の徴収額比率において、酒税が地租税を超えた時期があり、明治の近代化、富国強兵・殖産興業には酒税が大いに貢献したことがあるという。 そういう意味でいえば、酒づくりは「国づくり」でもある。 余剰穀物から多種多様な食文化のを開き、酒税によって国家財政を支えてきた酒造産業への興味はなかなか尽きることがなく、おもしろい。 もち米を醸造し、森のボタニカルを加えて蒸留した焼酎、またはスピリッツ。そんな岡山県新庄村の地産地消の酒に思いをはせつつ、酒づくりの資料をつぶさにあたってしていくのは、とても楽しい。 ----- p. 98 酒税を主要な国家財源とした明治政府が酒類近代化を指導 その転換期は明治の激動の時代にあった。 西南戦争、日清戦争と続く多大な財政負担もあり、酒税が国Amazon|っていく中、明治32年(1899年)には自家用酒が禁止となり、この年、酒税が地租を抜いて国税収入の首位に躍り出た。 明治34・35年になると実に国税収入の4割近くを酒税が占めるまでになる。 p.211 明治32年(1899年)に自家用酒の製造が禁止され、集落ごとに製造免許が与えられ、さらに酒税確保のために多すぎる製造免許の整理が断行され、生き残った蔵の競争が激しくなっていく。自家醸造から脱却して製造を専門の技能者に委ねる時代の到来である。 p.270 幕末から明治にかけて日本は歴史上類を見ない激変の時代を経験し、ごく短期間に世界史における「奇跡」と言われるほどの近代化を果たした。その重要な一翼を担ったのが酒税だった。 p.314 中国の酒造りには雑菌という概念はない。玉石混交の中から生み出される複雑な香味が尊ばれる世界であり、西洋流の考えが通用しない世界があり、液体発酵にどっぷり漬かっている身には考えさせられることが多い。 p.325 焼酎は清酒の技術を基とし、海外文化を取り入れ、発展の基礎を築いたが、その後、長い間南九州の地酒の地位に甘んじていた。それが今では神武天皇の東征を思わせるような北上を開始し、日本の國酒といわれるまでになっている。

Posted by ブクログ

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