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ユーカリの木の蔭で
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ユーカリの木の蔭で

北村薫(著者)

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ユーカリの木の蔭で

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 本の雑誌社
発売年月日 2020/05/22
JAN 9784860114428

ユーカリの木の蔭で

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商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2024/10/27

『ユーカリの木の陰で』 北村薫 初出 「別冊文藝春秋」2006年7月号〜2015年5月号 「本の雑誌」2015年5月号〜2017年7月号 近年は本の雑誌で拝読することもありますが、北村薫さんが、毎号一冊の本をテーマに語られる読書エッセイのようなコーナー『ユーカリの木の陰で』を...

『ユーカリの木の陰で』 北村薫 初出 「別冊文藝春秋」2006年7月号〜2015年5月号 「本の雑誌」2015年5月号〜2017年7月号 近年は本の雑誌で拝読することもありますが、北村薫さんが、毎号一冊の本をテーマに語られる読書エッセイのようなコーナー『ユーカリの木の陰で』をまとめられた1冊目にあたります。 読みたかった一冊。至福の時間でした〜(*´ω`*) 本へのワクワク感が沸々と湧き上がるのを抑えながら、ニヤニヤと一気に一読しました。 毎回、私ごときではとてもついて行くことのできない読書談なのですが、心踊る感覚を共有させていただきながら、ユーモアのある軽やかな文章に、くすりと楽しませていただいております。 馴染みを感じるところから、ほんの、少しだけ、ご紹介させていただきます。 『フェルメールの首 音楽の彼方にあるもの』梅津時比古著(東京書籍)の一文、《君たちにはあの猫の声が聞こえないのかい」》とバルトークが、可愛がっていた猫の行方がわからなくなった時に家族と知人に毒づいたエピソードが語られ、ご自身の愛猫のゆずちゃんとテレビ『ペット相談』に出られた時のオチへと結ばれます。笑ー「猫は鳴く」より。 エラリー・クイーンの『ギリシャ館の謎』の目次の仕掛けから、『古書肆「したよし」の記』松山荘ニ著(平凡社)の鍵へー。江戸人の頭はクイーン的に動く。 ー「西と東」(前編)、「カキツバタ」(後編)より。 俵万智さんの『百人一酒』(文春文庫)、ー酒の味が分からない私が読んでも、すこぶる面白いのだからーというご紹介からはじまっています。私にもその“お酒“の凄さが分からず夫に尋ねてみました。知れば面白さというか、そのエピソードの凄さがよく分かり、末尾のオチまで大変面白かったです。笑 ー「実験精神」より。 川端康成の『雪国』の冒頭の読み方についてー 「クニザカイ説」と「コッキョウ説」。クニザカイと聞くと時代を感じてしまいます。音の響きの良さで、コッキョウの方が好みです。北村薫さんの一考察の深さですね。気になっていると、ふとした所で出会えたり。ふふふです。ー「コッキョウ」より。 江戸川乱歩の『人間豹』ー怖いかな〜、でも興味を惹かれました。そして『赤い部屋』も。 ー「道筋はさまざま」(前編)、『赤い部屋』と「赤い部屋」(後編)より。 「目黒のサンマ」から「寿限無寿限無」にキプリングまで飛び出して笑。その先はもう、さっぱりです。 ー「ソルボンヌで落語」、「瓜二つ、三つ、そして」より。 まどみちおさんの「ふしぎなポケット」、ポケットのなかには何があるービスケットがひとつー 大川信純のポケットの中にはー鮒があるー 菊池寛のポケットの中にはー片方には釣り餌、もう片方には釣った魚ー 合理的な?中々にパンチのあるエピソードです。 ー「ポケットの中」より。 どのエピソードも興味深くて愉しくて。他にも読んでみたくなる本が増える一方です。(磯野家も出てきましたね)とてもご紹介しきれないので、未読の方はぜひお手に取られてください。m(._.)m そして最後に、「あとがき」より。 「本とはまことに不思議なものです。ページを開けば、自分を待っている文章と巡り合う。」 北村薫さんの本への想いに共感です。 きらめく水の記憶を、これからも何度も愉しませていただきたいと思います。(*´ω`*)

Posted by ブクログ

2022/05/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

一体どんな本を読めば、一日何時間くらい本を読めば、こんなに博学で、こんなに深い読解力を持つことができるのだろう。 ミステリ作家としてミステリに造詣が深いのはわかるとして、国語の先生だったというのだから文学に詳しいのもわかるとして、歌舞伎や落語、映画やら江戸時代の風俗にまで、詳しい詳しい。 特に明治から昭和初期にかけての文豪の話などを読むと、文学全集読まなくちゃ熱がまた燃え上がります。(周期的に燃える) それにしても、世界文学全集に比べて日本文学全集の読みにくさよ。 ”明治の文章どころか、大正、昭和のそれまで読めないようでは、あまりに寂しい。” まことにおっしゃる通り。 勉強します。

Posted by ブクログ

2020/09/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

北村薫さんによる読書エッセイ。 改めて北村さんの知識の幅広さに驚かされた。 日本の文豪は元より、数学、徒然草、落語、俳句、ソクラテス、江戸川乱歩…北村さんの好奇心は一体どこまで続くのか。 特に気になったものを書き出した。 ●二葉亭四迷が「愛してるわ」にあたる言葉を日本語に移す時「死んでもいいわ」にしたという。確かに日本の恋愛ものは死に至るパターンが多いな、と納得。 ●川端康成の『雪国』の冒頭「国境の長いトンネル」。私は迷わず「コッキョウ」と読んでいたけれど、「クニザカイ」派もいたとは驚いた。 ●フランス文学と落語に共通点があるとは驚いた。両者に同じエピソードが出てくるなんて。洒落は万国共通なのだろうか。 ●サイデンステッカー氏が落語を通じて日本語を身につけられた話。落語を理解することは日本語の習得のみならず、文化人類学、社会学、民俗学、時代考証なども並行して学べる、という。落語がなかったら『雪国』の名訳もなく川端康成のノーベル賞受賞もなかったかもしれない、というから驚きだ。落語を見直した。 あとがきで「本とは、まことに不思議なものです。ページを開けば、自分の持っている文章と巡り合う。ところが時として、その得難い言葉の数々が、手からこぼれる水のように逃げ去ってしまいます」とある。 本を読んだことにより出逢った言葉たちをいつまでも記憶に留めておくために、私にとってブクログがあるんだな、と改めて思う。

Posted by ブクログ

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