商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 玄光社 |
発売年月日 | 2020/04/30 |
JAN | 9784768313114 |
- 書籍
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広告と超私的スポーツ噺
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広告と超私的スポーツ噺
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商品レビュー
4
2件のお客様レビュー
亡くなる前の著書になると思います。 ご本人は煙草を吸われてる事を相当気にされてました。 同じ業界の先駆者です。お悔み申し上げます。
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著者は、64歳ながらバリバリのCMプランナー兼、クリエイティブエージェンシーTUGBOAT代表。偏愛する横浜ベイスターズの応援に年間50試合球場に駆けつける傍ら、最近は小説に随筆に…、文筆も精力的にこなす御仁。 さて、本書の2大テーマは表題にある『スポーツ』と生業とする『広告』...
著者は、64歳ながらバリバリのCMプランナー兼、クリエイティブエージェンシーTUGBOAT代表。偏愛する横浜ベイスターズの応援に年間50試合球場に駆けつける傍ら、最近は小説に随筆に…、文筆も精力的にこなす御仁。 さて、本書の2大テーマは表題にある『スポーツ』と生業とする『広告』。この随筆の面白さは、大谷翔平について語り始めるも、徐々に広告の方へ方へと幅寄せを始め、私説広告論が開陳される。 その内容は、もっぱら現在の『広告』の置かれている状況や広告の機能不全…について語る。 そもそも広告制作は若者の仕事。次の時代を 作る若者に消費の指針を示すのは、やはり若 者でなくてならない。とは言っても広告制作 には『修行』が必要。パワハラや平等な職場 環境や時間外労働問題が言われだしてから、 若いスタークリエイターが現れなくなった。 スターが現れないから自分のようなおじさん クリエイターが長く居座ることになる。ベテ ランにとってはいいことだが、広告にとって は『不健康』な時代そのもの。例えて言うな ら、『オヤジが息子や娘に向かって広告を作 っている』ようなもの。お金を持っているの は老人。でも、そもそも老人は消費に積極的 ではない。消費者も制作者も歳を取った。い ざ広告するとしても、どのメディアが有効か 分からず、多くのクライアントはネット上の クレームに常に恐れをなしている。ゆえに表 現は冒険できず、穏当となり退屈なものとな る。 日々クライアントと対峙しているクリエイターの吐露に嘆息・悲嘆・憤慨・慰撫の思いが入り交じり、同じ業界に35年間いる者として深く肯く。 広告業界は、自社でモノを作って売っているのではなく、クライアントから依頼を受けて初めて仕事が動き出す受注産業。広告制作には大きな手順は存在しても、その都度がカスタムメイドの世界。しっちゃかなめっちゃかな事態が起こり、スケジュールの大きな崩れに遭遇しながらも、びくともしない納品日やプレゼン日に何とか着地させる。これを指して労働集約型産業の最たる業界と言われる所以。 僕より以前にこの業界に入った先輩には、演劇くずれ、映画オタク、小説家志望、学生運動をしていた関係で致し方なく広告業界にもぐりこんだ…といった、一癖も二癖もある人が異彩を放ち、業界で幅を利かせていたり、著者も『広告も2000年ぐらいまでは本来の役割を果たしていた」と語る。 まぁ、良くも悪くもインターネットの台頭が我々の社会生活全般ー労働環境・消費・流通・物流・情報ーを大きく変え、広告宣伝・販促もその大きな波に翻弄され変容したのは事実。 著者は語る。 『広告ビジネスは未確定な予想(企画)を立て、その状態で口頭契約し、結果に対しては責任を取らない…という不思議な業態』。 続けて著者はこう坦懐する。 『我々広告屋は、進化しているのだろうか。この30年、技術として上達しているのだろうか。』 あの頃は良かったと懐かしむ風でもなく、かと言って我田引水・牽強付会な理屈を述べるのでもなく、スポーツのネタを枕に、実業の広告の方へスムーズに導く。語られる話は、読み手にストンと落ち、何度も自身に置き換えては問い、しばし本を閉じて黙考することもしばしば…、そんな一冊となった。
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