商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | イースト・プレス |
発売年月日 | 2020/04/30 |
JAN | 9784781696737 |
- 書籍
- 文庫
復讐者は愛に堕ちる
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復讐者は愛に堕ちる
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理不尽な理由で家族を奪われたアーレストの復讐心はよく分かる。 そのために聖女を殺して「祝福の儀式」を失敗させ、国を滅ぼそうとするのも分かる。 ただ殺そうとした聖女が純粋培養過ぎた。 生まれながらに聖女として育てられ、ありふれた気付きや幸せを知らない無垢な乙女。 ちょっとしたことで喜んで、名前を呼んでくれる存在アーレストがいるだけで幸せだと言う彼女に、どうして剣を突き立てられようか。 復讐心しか持たず20年を生きてきた彼にとって、それは救いだったか、残酷な運命だったのか。 読みながら途中までこの二人が幸せになれる結末が想像できず、随分ハラハラした。 アーレストが復讐を果たした時、彼の隣には恐らく聖女はいない。 しかし復讐心を捨て彼女を選んだところで、彼の20年は、家族の無念はどうなるのか。 しかも、彼らが自身の恋心を選んだ場合、確実に一国家が滅ぶ。 聖女は聖女で、純粋培養という名の洗脳によってか、それとも生まれながらの素質からか、聖女の職務を最後まで全うしようとしてきかない。 何度彼がやめてくれと懇願してもだ(最初は本心ではなかっただろうが、終盤の彼の訴えは間違いなく本気だった) 「祝福の儀式」の正体を知っても、彼女を育ててくれた親代わりの神父の本当の想いを知っても、アーレストからの激しい想いを受け止めてもなお、彼女は犠牲になろうとした。 国のためではなく、他ならぬアーレストのため。 こんな二人が寄り添うあう未来が最後の最後まで想像できなかった。 二人がどの未来を選んでも、必ず犠牲者が出る。 何と重い選択か。 聖女の犠牲で300年成り立っていた国。 その国は聖女が守るべき価値のある国なのか。 重すぎる選択を多少は軽くてくれたのは、現状の国のあり方、人々の考え方をしっかり書いていた部分だろう。 あれがなかったら、最後の結末を「ざまあ」と嗤うことは多分できなかった。 そうして二人は選んだ。 多大なる覚悟の上に。 ラスト、某キャラの意外な正体も発覚。 途中、お前は味方か敵かと随分やきもきしたため、最後に正体が分かって安心できた。 彼の内心が読めなかったのも、幸せなエンディングを想像できなかった一因。 しかし、今回のこのエンディングは彼にとってもハッピーエンドだっただろう。 長いお勤め、本当にお疲れ様でした。
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