甘噛みだけではすまさないっ アイズC

鶴子(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2020/03/25
• JAN: 9784834264685

商品レビュー

2020/10/14

▼あらすじ
蛇の獣人・巳國は、自分に自信を持てないでいた。しかし、脱皮したことをきっかけに突然大人っぽくなり、異常にモテ始めてしまう…！
その状況に困惑しつつ、ずっと片思いしていた幼馴染の獣人・那智もこれで自分を意識してくれるかも…と期待するが、彼の態度は以前とまったく変わらなくて…。

＊＊＊

ストーリーの完全度：非常に高い
トーン：あまあま
エロ度：高い
萌え度：高い
総合評価：★4.8

初読みの作家さん。表題作＋短編2本で構成されたオムニバス形式の作品で、番外編を含めると4CPものお話が収録されているので非常にボリューム感のある内容でした。
絵も素敵だし、特に獣人が凄く魅力的に描かれていて1ページ1ページ舐めるようにじっくり見てしまいました(笑)
ストーリー構成もお上手ですね。どのお話もきちんとまとまっているし、読ませる内容なので久しぶりに読み終わるのが惜しいと思うくらい最後までしっかり楽しめる作品でした。

個人的には【世にも優しく噛みついて】と【女神のしっぽを捕まえろ】が特に好きでした。世にも〜の方は獣人×人間のお話で、先生と呼ばれている攻めが狼なんですがこれがまた良い具合に老けてるんですよ…。枯れてるように見せかけてくっ付いた後のエッチはまるで本物の獣みたいに激しくて、受けを食べちゃいそうなほどの迫力なんです…！体格差にも非常に萌えましたし、エッチした事で一時的に本物の狼の姿に戻った先生もかっこよかった…！(先生のモフモフを全身で堪能する匠が羨ましいのなんの…！笑)
終わり方もあまあまで凄く良かったし、この二人の続きがもっと読みたかったです。

【女神のしっぽを捕まえろ】は人間×獣人のお話で、受け(俊介)が黒豹なんですが、クールビューティーな性格が良かったしネコ科特有のしなやかな体付きもドキドキでした♡ただ、世にも〜の方でちらっと登場した時はまさか彼が受けだとは思わなかったので最初は凄く意外でしたが(笑)
攻め(愛八)は同じ部活の後輩で第一印象はチャラいんですけど、誠実で思いのほか健気なところが良かったですね。
世にも〜の方はどちらかと言えばしっとりあまあまな雰囲気のお話でしたが、こちらはいかにも青春！って感じのキラキラした雰囲気で、読後感が爽やかなのが印象的でした。

因みに表題作である【甘噛みだけではすまさないっ】は獣人×獣人がテーマのお話で、個人的にはCPよりもストーリーの面白さが気に入りました(^^)
受け(巳國)が蛇の獣人なんですが、最初は子供っぽい見た目のキャラだったので体が急成長(脱皮)して綺麗になるという展開は予想外で「おお…！」って感じでした。見た目だけじゃなくて他にもフェロモンや毒など、普通の獣人とは異なる体質を持っているのが面白かったですし、そんな彼に翻弄されるライオンの獣人である攻め(那智)の葛藤もしっかり描かれていて非常に読み応えのあるストーリーでした。
個人的には人型の時の那智の見た目がめちゃくちゃ好みです…褐色肌男子最高…(笑)

…とまぁ、こんな感じで各お話によって色んな見どころあり、最後まで読者を飽きさせない作りになっているのが良かったです(^^)
私の本棚にまた一つ、お気に入りの作品が増えました。作者さんの次の作品にも期待しています。(次も獣人系だと嬉しいな♡)