私たちの望むものは

小手鞠るい(著者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2020/03/16
• JAN: 9784309028668

商品レビュー

2024/01/31

始めの 「 鏡」で､ドキッとしてしまった！
そう、ある朝鏡を見て覚えた　衰えた自分の顔！
この登場人物は､まだ若いが､やはり､今まで､自分の顔を他人が､見たらこういう風に､映っている事に愕然とする。
さてさて､この人物､恋多き人であったと､書かれているが､最後まで読むと､一途であった気がする。
このハルこと､千波璃と異母姉弟の2人。
少しもどかしいほどのプラトニックラブ。
15歳も離れると､千波璃の方も恋愛関係的要素は､浮かばなかったのだろう。

そして､綺麗な文書で綴られているけど､結局は不倫恋愛であり､最後は､待ちに待っても､愛した人の嘘に気づかず､否､気付くことが怖くて否定していたのだろうけど､身の破滅への道を歩む。

本人は､良いけど､残された身内は､どのような心境になるのか､この本人は､わかっていない。
自分勝手な我が儘で､一途に愛したい人のために､さも､独立したような振る舞いで米国在留､そして、……
勝手にこの世から去りながらも、後片付けは､人任せ。
そして､任された者も､身を固め､子供までいるのに､未だ､死者となっても､恋慕の想いに浸っている。

人を一途に愛する事は素晴らしい事だけど､こんな自分たちの愛は､続く事は無いだろうと思いながら､本を閉じた。

2023/04/14

美しい言葉で描かれた恋愛小説。
でも、この恋愛はいわゆる不倫なんだけど。
世間で強烈にバッシングされる不倫と、一体何が違うんだろうと考えたりしながら読んだ。
誰にスポットライトを当てるかで、恋愛って全く違う見え方をするんだろうな。

2022/05/30

“恋愛小説が嫌いという人に限って、恋愛への欲望が実は深い”。

そうなのかもしれない。

偶然でもいい
必然でもいい
目標でもいい
野望でもいい
これしかない
これだけができる
これだけが好きだ
そう思えることをひとつだけ見つけられたら
一生を通してそれを追求する
…

私は一生かけて英語を好きでいるんだと思う。

祖父を亡くして思ったことは、
お通夜もお葬式も四十九日も一周忌も、
そして日々のお参りも、
残された人にとって大事な過程だということ。
繋がれる、喜んでる、個人の希望を叶えたい、
全てそう思わざるを得ない残された人のためでもあること。
遺品処理もそうだとこの本から気付かされた。

1、英語の生涯付き合う
2，残された家族の絆を深める
3、故人を想い、遺品を宝にする