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ぼくたちがギュンターを殺そうとした日
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ぼくたちがギュンターを殺そうとした日

ヘルマン・シュルツ(著者), 渡辺広佐(訳者)

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ぼくたちがギュンターを殺そうとした日

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2020/03/09
JAN 9784198650704

ぼくたちがギュンターを殺そうとした日

¥1,540

商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2024/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつの時代も、どこの国でも、いじめは発生してしまう。 第二次世界大戦直後のドイツの片田舎でも。 ギュンターは東プロイセンから逃げてきた難民の子であり、知恵遅れのように見える少年だった。主人公と仲間たちが卵を盗もうとする時に、いつまでもついてくることに苛立った彼らはギュンターにひどいいじめを行ってしまう。ギュンターは誰にやられたのかは言わないが、学校に来なくなり、周囲の大人たちは子どもたちの態度を見て、誰がやったのかを察してしまう。発覚すれば施設に送られてしまうと、追い詰められた少年たちはギュンターを殺そうと計画する。 いじめの構図ではあるが、背景には「戦争」がある。ドイツがユダヤ人を迫害したこと、同様に障がい者を無用として殺したことが、子どもたちにも影を落とす。徐々に復員してくる年長者の青年たちも、元SSで子どもたちのいじめ以上の過去がある。 大人たちも傷を負っている。難民たちは家もなく、家畜小屋で苦しい暮らしをしている。食べ物にも困っている。 それでも、道を誤り、犯罪者へ堕ちていくのではなく、みんなで踏みとどまろうとする主人公たちの思い。 間違いは起こる。起きなければ良いのに、しばしば起こる。 その時、どうするか。 短い物語の中に、重いテーマが横たわっている。

Posted by ブクログ

2022/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 第二次世界大戦終期から直後にかけて、ドイツ東部から農村へ疎開(というより難民)してきた人々の、ローティーンの子どもたちのお話。難民の子たちは仲間になってつるむようになるけれど、その中に吃音と知恵遅れがあるとされる男の子・ギュンターがいて、彼を疎んじた仲間たちは彼をいじめてしまいます。かなりひどいことをしてしまい、その発覚を恐れた仲間内のリーダー・レオンハルトが、ギュンターを殺す計画を立てます。  主人公のフレディは葛藤します。もちろんギュンターを殺すなんてとんでもない、良くないことだと分かっています。その上ギュンターは、フレディと一緒にいるときはどもりもなく、元は広い牧場に住んでいたということもあり、馬についての豊富な知識を披露してくれます。けれども、リーダー格のレオンハルトに逆らって計画に参加しなければ、仲間からはじき出され、村や学校での居場所を失います。いえ、計画に参加すれば、虐待する負傷兵の父の元へ送り返されるか、施設送りにされるかのどちらかなのですが……それはギュンターが口を割ってしまった場合も同じです。ギュンターが「ぼくをいじめたのはあいつらだ」とばらしてしまえば、子どもたちは酷い折檻をされる。あるいは問答無用で施設に入れられる。そういう時代です。  いじめの問題はいつの時代にもありますが、本書の特筆すべき点は、それが戦時下であったこと。つまり、大人たちが戦争を行い、人の命を公然と奪う中で――しかもドイツの話です。障碍者を集めて命を奪うという行為を行っていた状況で、大人たちはそういう情報を子どもたちには隠そうとしていましたが、特に年長の子、レオンハルトなどは知っていました。大人の行動をなぞるようにして、弱者を貶めようとしていたのです。そして、そのような子どもたちの行動に、周りの大人たちは真剣に向き合おうとはせず、臭い物に蓋をするように、「お前がその場にいたなら殴りつけてやる」「施設送りだ」「自分で始末をつけろ」というような言葉で子どもたちを追いつめていくのです。  この物語は、作者の子ども時代の経験に基づいて書かれた話とのこと。本書は児童書ですが、大人こそ読む価値のあるものです。子どもたちの前で大人がどんな姿であるべきか、考えさせられます。

Posted by ブクログ

2021/05/15

いじめや人種差別、人権教育に力を入れない日本社会にこそ必要な一冊。 子どもの犯した罪に対して大人はどう対処するのか?一つの答えがこの一冊におさめられている。

Posted by ブクログ

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