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歌舞伎に女優がいた時代 中公新書ラクレ
968円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2020/03/09 |
| JAN | 9784121506801 |
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歌舞伎に女優がいた時代
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歌舞伎に女優がいた時代
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商品レビュー
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・小谷野敦「歌舞伎に女優がいた時代」(中 公新書ラクレ)の書名を見て市川少女歌舞伎のことを考へた。阿国歌舞伎ではない。ずつと新しい戦後の、一世を風靡したと言へるであらう市川少女歌舞伎である。先輩からきいたことがある、誰それの弁慶は実に良かつたと。東京で三越劇場、明治座、名古屋で御...
・小谷野敦「歌舞伎に女優がいた時代」(中 公新書ラクレ)の書名を見て市川少女歌舞伎のことを考へた。阿国歌舞伎ではない。ずつと新しい戦後の、一世を風靡したと言へるであらう市川少女歌舞伎である。先輩からきいたことがある、誰それの弁慶は実に良かつたと。東京で三越劇場、明治座、名古屋で御園座、京都で南座、大阪で中座、その他の都市でも大劇場で公演して全国を回つた。市川宗家から市川を許されたのである。これを本格的な歌舞伎と言はずに何と言はう。さすがにこれは本書でも取りあげられてをり(207~208頁)、豊川の少女達の活躍をかうして読むのは本当に久しぶりのことであつた。その後、少女が成人するに至つて名を市川女優座と改めて公演を続けた。女優座である。本書にぴつたりの座名ではないか。歌舞伎に女優がゐた時代は決して古き昔のことではないのである。 ・とはいふものの、私が歌舞伎と女優を結びつけることができるのは前進座とこれぐらゐしかない。現在の地芝居に女形と女優がゐることは知つてゐるが、これは地芝居、地歌舞伎でのこと、ここでいふプロの芝居、役者とは違ふ。市川少女歌舞伎はプロであつた。だからここに出てくる。しかし地芝居はアマである。役者が足りなくなれば女優、いや女性でも使ふ。たぶん、その昔は地芝居でも女形しかゐなかつた。本書の「歌舞伎に女優がいた時代」は江戸から明治である。若衆歌舞伎、野郎歌舞伎に女優はゐない。寛永6年に「女が舞台で歌舞伎 や舞踊を演じることを禁じた」(23頁)。これは「女が興業として舞台へ上がることが表向きは禁じられて明治に至ったということ」 (同前)である。つまり「興業」でなければ江戸時代でも女優はゐたのである。その第一が「藝者」であつて、「歌舞の菩薩」(38頁) と呼ばれたといふ。その二が本書の女優たる「御狂言師」(同前)である。これは要するに大奥、あるいは奥で求められて芝居をする女性、いや女優である。もともと歌舞伎役者の弟子で踊りをやつてゐた女性なので、大奥での求めには容易に応じられた。演し物は「鏡山」 や「先代萩」が多かつたらしい。この最後の世代から明治の女優が出てきた。女團洲と言はれた市川九女八である。この人は男の役者と芝居に出た、最も女優らしい人である。明治には他にも女優がゐた。女だけで一座も組んだが、男優にも混ぢつた。最後に資料として九女八等の出演記録がある。これは名前だけでは男か女か分からない。ただ私の知る役者もをり、この時も、これが男であるならば、九女八等は男優に混ぢつて演じたことになる。例へば、明治33年1月東京座、「寿美蔵猿之助を上置きにした一座でしたが、一番目の嫩軍記での九女八さんの藤の方が、大変な評判でした云々」(守隨随筆より再引用、113頁)で分かるやうに、ここでは男優に伍して活躍したらし い。猿之助とも京人形を踊つてゐる。女だけの一座で優れてゐる人はよくゐる。市川少女歌舞伎も成人前の少女だけだからこそ受けたのであらう。しかし、男優に混ぢつて評価されるのは本当に力のあつた証拠である。九女八はかういふ人であつたらしい。この時期には他にも女優はをり、例へば巻末の帝劇女優芝居は昭和の初めまで続いた。ここにも宗十郎、三津五郎等が出てゐる。座組みが変はつたりして松竹一強体制ではなく、今のやうにがんじがらめになつてゐないことも歌舞伎に女優が存在できた理由であらう。なぜ女優が消えたのか、これは本書にはつきりと書いてないが、戦前に現在の形の歌舞伎ができた(208頁)らしい。明治は歌舞伎芝居の変革期であつた。本書は変革期の歌舞伎を知ることのできる書であつた。
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中世から今日にいたるまで、歌舞伎を演じた女優たちがいた。女形のかわりではないことの苦悩、そして彼女らの演劇史への功績を描く。
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