商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2020/03/06 |
JAN | 9784094066128 |
- 書籍
- 文庫
不協和音
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不協和音
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夫を亡くした、子供二人の女性。セラピーなどに通いながら、新しい環境に馴染めるよう勤めるが、身の回りで奇妙な出来事が起こる。新婚さん向けのネグリジェが贈られてくる。家の周りが綺麗にされてる。善意なのか嫌がらせなのかハッキリわからないまま、周囲の人間も、この主人公の自作自演なのではな...
夫を亡くした、子供二人の女性。セラピーなどに通いながら、新しい環境に馴染めるよう勤めるが、身の回りで奇妙な出来事が起こる。新婚さん向けのネグリジェが贈られてくる。家の周りが綺麗にされてる。善意なのか嫌がらせなのかハッキリわからないまま、周囲の人間も、この主人公の自作自演なのではないか、と感じはじめる。真相は違った。かなりのイカれサイコで、怖いのは、普段、皆が装っているサイコ野郎にまんまと騙されていることで、やっぱし、野生の感って物を普段から磨いておかねばならぬな。
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かつて「未亡人」に憧れていた。 ミュージカル映画『ハロー・ドーリー!』を見てしまったのだ。 主人公ドーリー ・リーヴァイ は「陽気な寡婦」である。 「私にすべてお任せを」の名刺をあちこちに配りまくり、笑顔と、世話焼きな性格を生かして、やりての仲人業をしている。 口癖は、「夫は...
かつて「未亡人」に憧れていた。 ミュージカル映画『ハロー・ドーリー!』を見てしまったのだ。 主人公ドーリー ・リーヴァイ は「陽気な寡婦」である。 「私にすべてお任せを」の名刺をあちこちに配りまくり、笑顔と、世話焼きな性格を生かして、やりての仲人業をしている。 口癖は、「夫はこう言っていた」。 じれったい若者の肩を叩いたり、背中を押したり、励ましたり、物事のよいほうに目を向けさせて、彼らの恋を成就に向けて推していく。 その間に、ちゃっかり、自分の恋愛も成功させている。 すっかり夢中になってしまった幼き日の私は、将来こんな「みぼうじん」になりたいと舞い上がってしまった。 長じるにつれて、さすがに、その夢に訂正を入れていったのだが。 「陽気な寡婦(メリー・ウィドウ)」なんて、そうそういるものではない。 伴侶を失ってすぐさま幸せになれるなら、それはその結婚が不幸であったからだし、結婚が幸せなものであれば、失ったものの大きさは計り知れない。 ドーリー・リーヴァイがまだしも陽気でいられるのは、幸せの伴侶たる夫を失ってから、かなりの時間を経たからだろう。 『不協和音』の主人公、リリーはちがう。 夫を失って、まだ一年。寂しく、不安定でいる。 見るものすべてが夫を思い起こさせる。 耳に届く音楽は夫からのメッセージだと思い込み、それにすがり、ふとした匂いに、夫を強く思い起こしてしまう。 いっぽう、夫がいないことを忘れてしまう時もある。 カードがくれば、自然に夫からだと思ってしまい、何の気なしに彼の好物を買ってしまいそうになる。 そんな自分をどうにか立て直して、仕事は集中して勤め、二人の息子の母親たる役目も、日々、なんとかやっている。 例えば飼い犬の思わぬしざまに、張った気が折れることもある。 一日一日が、気を張ったり、挫けたりの暮らしなのだ。 その、不安定な日々に、妙なものがやってくる。 たとえば手紙、あるいは贈り物、些細であっても、不穏なもの。 好意のような、悪意のような、どちらとも言いかねるもの。 リリーの日々に、不意に立ち入ってくる、まさしく「不協和音」。 自分がなにに惹かれているのか自覚できないままに、 とにかくページを進めてしまった。 これが読み耽るということだろう。 『ケイトが恐れるすべて』がよかったという人は、これも面白いのではないか。 そして、やはり女性のほうが、より強くお薦めできる。 https://www.youtube.com/watch?v=8Dm4GhaYj84 そしてこちらが「ハロー、ドーリー!」の予告編。 唐突に出てきた小さいおっさんに、「だれだこれ」と思ったのも懐かしい思い出である。 ゲスト出演していたルイ・アームストロングだった。 この予告映像では(3:38)あたりから登場する。
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