商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 晃洋書房 |
発売年月日 | 2019/11/09 |
JAN | 9784771032668 |
- 書籍
- 書籍
民俗学読本
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
民俗学読本
¥2,640
在庫あり
商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
執筆者達それぞれの、民俗学の分野で研究するにいたったきっかけとひとつの研究が出来上がるまでの軌跡を集めた一冊。 民俗学の分野は広く、調査方法も様ざま。どうやって研究テーマを決めたのかは、どの人も個人的な感動や衝撃、あるいはふとした疑問など、自分のこころを強く揺さぶったエピソード...
執筆者達それぞれの、民俗学の分野で研究するにいたったきっかけとひとつの研究が出来上がるまでの軌跡を集めた一冊。 民俗学の分野は広く、調査方法も様ざま。どうやって研究テーマを決めたのかは、どの人も個人的な感動や衝撃、あるいはふとした疑問など、自分のこころを強く揺さぶったエピソードがあるのだ。こういう風に探求しんが刺激されるから、研究者になるのか!とも思ったし、自分の興味の惹かれること、気になることを突き詰めることは続けてみようとも思た。 また、どのようにアウトプット、論文を組み立てるかとか、その研究でどうなってほしいかなど、研究することの意義にも触れられていて、とても刺激をもらった内容だった。いかにも大学の教科書なんだけど、学生を意識したわかりやすい文章で書かれているので読みやすかった。 マッピング: 化け物をマッピングした結果、自然が豊かなところでは河童や天狗、城下町など都市部では幽霊、とはっきり違いが出た。 聞き取り: 妖怪の体験談を聞くと、その村では事実あったこととしてムジナに化かされた話をする。現実の人々の生活の中に生きていることがわかり、現実がフィクションに近づいた。よってそれが「妖怪」という認識がないため、妖怪と聞いてもムジナに化かされた話と結びつくわけではない。 犬神に憑かれたために学校に行けない。不登校の理由を犬神に求めた例。 昔話: 桃太郎伝説の語り直し。鬼が製鉄技術を伝えた豪族ということが歴史上明らかになるにつれ、桃太郎のモデル吉備津彦と鬼の温羅が和解した話に語りなおされた例。 観察: 祭りは集団としての研究がほとんどだが、川村さんはそこに違和感を持つ。祭りに対する個人の関わり方に注目した研究をした。祭りの準備で楽しく準備する人達、それを取材する学生達とは別に、大変な思い(けして楽しそうではなかった)をして片付ける女性達。準備で連帯感を増す人たちとその過程で排除されていく子供たち。 手で糞掃衣を触り功徳を受けようとする人達 論文: 一人で真実を暴こう!とするのはおこがましいこと。研究者ならばその時々の真理・前提を道具として用い議論・論争を呼び起こす論文を書かなければならない。それを公表し、全体の議論の中でもっと有益な道具である新しい真理をみんなで作り上げる。特に人文社会系の学問がなすべきことはそういうことだ(山下さん)ー学問の発展とか、学会のあり方とか、本を読んでしばしば目にする「批判」とはこういうことなのかと思った。みんなで新しい真理を探すために議論しているのだ。 後藤さん 批判とは自分が新しく何を提示するかということ。 意義: 研究にあたり、地域還元を意識するようになったエピソード。中村さん。自分が研究する一方でその地域の環境が悪化していくのをただ観察するだけだったという後悔から、地域還元を意識するようになったと。 戦艦大和ミュージアム。博物館ができるまでに軍国主義の称揚と、受け取られると開館できない。地域の歴史を知ってもらうため、と時間をかけて開館にこぎつけ、その後は戦争体験を語る場として施設が「成長」していった。
Posted by
13のフィールド物語が織りなす民俗学の思考法と実践的有効性! 民俗学のどこが個性的なのか。それは、問題の発見とその解明の基盤が、これを研究しようとする者自身の日常経験の積み重ねとしての人生にある点、そしてそこに宿る「小文字」の言葉を重視して議論を組み立てようとする点である。(あ...
13のフィールド物語が織りなす民俗学の思考法と実践的有効性! 民俗学のどこが個性的なのか。それは、問題の発見とその解明の基盤が、これを研究しようとする者自身の日常経験の積み重ねとしての人生にある点、そしてそこに宿る「小文字」の言葉を重視して議論を組み立てようとする点である。(あとがきより) 取り扱う範囲の広いこと広いこと。 書き手も書き方もそれぞれで、面白おかしく伝えようとしているのがすごく伝わってくる。 妖怪という単語に魅かれて読み始めたけど、儀礼や催事なんかも面白そう。学生時代に読んでみたかったなぁ。
Posted by