商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2019/08/22 |
JAN | 9784562056552 |
- 書籍
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ダンプリングの歴史
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ダンプリングの歴史
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餃子(ギョーザ)が好きな僕。子どもの頃は兄弟3人正座して、父が作る小麦粉の皮を伸ばし、母が作った具を詰め込みました。 「これ何の形?」 「怪獣のガメラ!」 「違うよ、仮面ライダー!」 食べ物をオモチャにしたらダメよと、母の優しい声に包まれながら、僕たちは皮を丸め鍋に入れました...
餃子(ギョーザ)が好きな僕。子どもの頃は兄弟3人正座して、父が作る小麦粉の皮を伸ばし、母が作った具を詰め込みました。 「これ何の形?」 「怪獣のガメラ!」 「違うよ、仮面ライダー!」 食べ物をオモチャにしたらダメよと、母の優しい声に包まれながら、僕たちは皮を丸め鍋に入れました。 それを水餃子と呼んでいましたが、どちらかというとワンタンに近く、蒸す時は包子(パオズ)に近かったと思います。 家族で餃子を手作りして食べる伝統は引き継がれましたが、昭和から平成に時代が移る中、鍋からホットプレート、手作りから出来合いの皮になり、僕の娘たちはテーブルに座り妻が作った具を包みます。 「これ何の形?」 「ポケモン!」 ある年の父の日。娘たちがはしゃぎ、妻に優しく注意される光景は、私の子どもの頃と変わりません。ジュ~と焼ける音、焦げの香り、プレートから噴き出す湯気に包まれながら、僕はクレヨンで書かれた父の日のカードを受け取り、ビールのグラスを傾ける。僕にとって、餃子は平和で幸せの象徴なのです。 今回紹介する『ダンプリングの歴史』によると、ワンタン、包子、餃子はどれも広い意味で「ダンプリング」。「小麦粉の生地を丸めた味のよい小さな団子状のもの」で、世界中に120種類以上あるといいいます。饅頭(まんじゅう)、小籠包(しょうろんぽう)、イタリアのトルテッリやニョッキもその一種らしいです。ダンプリングという言葉は英語ですが、語源は「小さなずんぐりとした人」という意味らしいです。なるほど僕のような体型(笑)。 また、ダンプリングの代表格「餃子」の語源は、諸説ありますが「耳」。古代中国の張仲景という医師が、多くの人を助けるために栄養価の高いスープを作り、その中に耳の形をしたダンプリングを入れたことが始まりという記録もあります。 医療とつながっていると聞くと、医者の僕としてはなおさら好きになります。さらにこの本を読んでゆくと、ダンプリングはキリスト教でもユダヤ教でもお祝いの席で食べる風習が多いそうで、13世紀に描かれた「ダンプリングを食べる人」という有名なフレスコ画では、産後間もないマリア様が、ダンプリングを味見している召し使いを見つめています。キリスト誕生のお祝いの食卓にもダンプリングが並んだのでしょうか。 ダンプリング発祥の地は、マニアックな著者(欧州食品安全機関局長)でも突き止めることができていませんが、シルクロードの交易を通して、さまざまな文化が影響しあいながら進化したようです。 簡単に作れて栄養価があり、人が集う祝いの席で食べられるダンプリング。ロシアにペリメニ、ウクライナにワレーニキという料理がありますが、形や具の触感が似ているそうです。両国民が安心してダンプリングを食べられる日が来ることを切に願いながら本書を読みました。 【追伸】ちなみに僕のおすすめ餃子の店は、思案橋にある「とり福」。美味しい一口餃子と鳥のから揚げと、気風のいいママの笑い声と愉快な大将の話が聞けるお勧めのお店ですよ。(長崎新聞2022年5月掲載記事を加筆)
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餃子(ギョーザ)が好きな僕。子どもの頃は兄弟3人正座して、父が作る小麦粉の皮を伸ばし、母が作った具を詰め込みました。 「これ何の形?」 「怪獣のガメラ!」 「違うよ、仮面ライダー!」 食べ物をオモチャにしたらダメよと、母の優しい声に包まれながら、僕たちは皮を丸め鍋に入れました...
餃子(ギョーザ)が好きな僕。子どもの頃は兄弟3人正座して、父が作る小麦粉の皮を伸ばし、母が作った具を詰め込みました。 「これ何の形?」 「怪獣のガメラ!」 「違うよ、仮面ライダー!」 食べ物をオモチャにしたらダメよと、母の優しい声に包まれながら、僕たちは皮を丸め鍋に入れました。 それを水餃子と呼んでいましたが、どちらかというとワンタンに近く、蒸す時は包子(パオズ)に近かったと思います。 家族で餃子を手作りして食べる伝統は引き継がれましたが、昭和から平成に時代が移る中、鍋からホットプレート、手作りから出来合いの皮になり、僕の娘たちはテーブルに座り妻が作った具を包みます。 「これ何の形?」 「ポケモン!」 ある年の父の日。娘たちがはしゃぎ、妻に優しく注意される光景は、私の子どもの頃と変わりません。ジュ~と焼ける音、焦げの香り、プレートから噴き出す湯気に包まれながら、僕はクレヨンで書かれた父の日のカードを受け取り、ビールのグラスを傾ける。僕にとって、餃子は平和で幸せの象徴なのです。 今回紹介する『ダンプリングの歴史』によると、ワンタン、包子、餃子はどれも広い意味で「ダンプリング」。「小麦粉の生地を丸めた味のよい小さな団子状のもの」で、世界中に120種類以上あるといいいます。饅頭(まんじゅう)、小籠包(しょうろんぽう)、イタリアのトルテッリやニョッキもその一種らしいです。ダンプリングという言葉は英語ですが、語源は「小さなずんぐりとした人」という意味らしいです。なるほど僕のような体型(笑)。 また、ダンプリングの代表格「餃子」の語源は、諸説ありますが「耳」。古代中国の張仲景という医師が、多くの人を助けるために栄養価の高いスープを作り、その中に耳の形をしたダンプリングを入れたことが始まりという記録もあります。 医療とつながっていると聞くと、医者の僕としてはなおさら好きになります。さらにこの本を読んでゆくと、ダンプリングはキリスト教でもユダヤ教でもお祝いの席で食べる風習が多いそうで、13世紀に描かれた「ダンプリングを食べる人」という有名なフレスコ画では、産後間もないマリア様が、ダンプリングを味見している召し使いを見つめています。キリスト誕生のお祝いの食卓にもダンプリングが並んだのでしょうか。 ダンプリング発祥の地は、マニアックな著者(欧州食品安全機関局長)でも突き止めることができていませんが、シルクロードの交易を通して、さまざまな文化が影響しあいながら進化したようです。 簡単に作れて栄養価があり、人が集う祝いの席で食べられるダンプリング。ロシアにペリメニ、ウクライナにワレーニキという料理がありますが、形や具の触感が似ているそうです。両国民が安心してダンプリングを食べられる日が来ることを切に願いながら本書を読みました。ホッホホ~。 【追伸】ちなみに僕のおすすめ餃子の店は、思案橋にある「とり福」。美味しい一口餃子と鳥のから揚げと、気風のいいママの笑い声と愉快な大将の話が聞けるお勧めのお店ですよ、ホッホホ~~。(長崎新聞 2022年5月掲載記事を加筆)
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