商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2019/08/08 |
JAN | 9784198648978 |
- 書籍
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地先
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地先
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
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千葉、房総、外房、御宿、岩和田。漁師・海女の町。往時は、青木繁の「海の幸」の絵そのままだったと。詩人加藤まさをが「月の砂漠」を。「人生劇場」の尾崎士郎が、平塚らいてうが、大杉栄が・・・。乙川優三郎「CHISAKI 地先」、2019.8発行、御宿などを舞台にした8話。第1話「海の縁」、第4話「言葉さえ知っていたら」、第5話「そうね」、第8話「地先」がお気に入りです。
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「地先」その土地から先へつながっている場所 久しぶりの乙川優三郎さん。 タイトルの地先という言葉は知らなかった。 表題作の書き下ろしを含めた短編八つは、久しぶりに味わう静かで美しい世界観でした。 この作家の言葉、文章、流れる空気感、浮かぶ情景のなんと美しいことか… 海辺「御...
「地先」その土地から先へつながっている場所 久しぶりの乙川優三郎さん。 タイトルの地先という言葉は知らなかった。 表題作の書き下ろしを含めた短編八つは、久しぶりに味わう静かで美しい世界観でした。 この作家の言葉、文章、流れる空気感、浮かぶ情景のなんと美しいことか… 海辺「御宿」が舞台となる一作目は過去に御宿を愛した作家達が名を連ねる。 月の砂漠の生まれた土地とは初めて知りました。 表題作「地先」は迷いを抱えて御宿に来た画家の話 美しい海とそこに生まれ、留まり、強く生きる若い娘との時間を過ごすことで先につながる場所を見つける話。 大人の愛の話に酔いしれた…そんな気分です。
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乙川さんの作品は千葉県夷隅郡御宿町が頻繁に出てくる。 私は3歳くらいから大学を卒業するまで毎年何回も御宿に行っていて、作品に出てくる場所で多くの時間を過ごした。 御宿町岩和田に住む、海の家を営む家族と家族ぐるみで親しくしている。 家族で訪れたり、うちでバイトをしている大学生を連れ...
乙川さんの作品は千葉県夷隅郡御宿町が頻繁に出てくる。 私は3歳くらいから大学を卒業するまで毎年何回も御宿に行っていて、作品に出てくる場所で多くの時間を過ごした。 御宿町岩和田に住む、海の家を営む家族と家族ぐるみで親しくしている。 家族で訪れたり、うちでバイトをしている大学生を連れて行ったり、私一人で行ったりした。 小学生の頃から海の家の手伝いをして、色々な経験をした。 私の人生の思い出の多くは御宿にある。 だから、乙川さんの御宿を舞台にした作品を読むと進まない。御宿の日々を思い出して懐かしんで読めなくなってしまう。 私には乙川さんが描くような美しい海の印象はない。そんなに綺麗だったかなぁと首を傾げてしまう。 … … … 冒頭に収録された「海の緑」は、御宿にゆかりのある人物について書かれている。全然知らなくてびっくりした。月の砂漠の童謡を生んだ画家で詩人の加藤まさを、作家の尾崎士郎、前田河広一郎、三宅やす子と娘の艶子、画家の谷内六郎。知らなかったから興味深く読んだ。 作中の主人公が時を経て同じ景色を見ていることを感慨深く思うシーンがある。私も乙川さんと同じ景色の中にいたことを感慨深く感じる。 どこかで乙川さんに会っていたかも知れないなぁと思う。
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