商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | フィルムアート社 |
発売年月日 | 2019/07/26 |
JAN | 9784845918171 |
- 書籍
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長寿と画家
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長寿と画家
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15名の絵画の巨匠たちの晩年の生き様と、 その最晩年に描いた作品に焦点を当てて、紹介する。 ・まえがき ゴヤ ターナー ドガ モネ ルノワール ムンク マティス ルオー ピカソ シャガール 伊藤若冲 葛飾北斎 横山大観 熊谷守一 岡本太郎 ・おわりに 掲載作品一覧、参考文献有り。...
15名の絵画の巨匠たちの晩年の生き様と、 その最晩年に描いた作品に焦点を当てて、紹介する。 ・まえがき ゴヤ ターナー ドガ モネ ルノワール ムンク マティス ルオー ピカソ シャガール 伊藤若冲 葛飾北斎 横山大観 熊谷守一 岡本太郎 ・おわりに 掲載作品一覧、参考文献有り。 本文・代表作・晩年に描いた作品・略年譜での構成。 晩年の作品には、その画家の心持ちが現れているかのようだ。 聴覚不全、視力の低下、白内障、失明、リウマチ、 内臓疾患、体力の衰え、車椅子の生活、中風等々、 偉大な画家たちにも老いのリスクが襲い掛かる。 彼らだって人間だからこそ、老いの苦しみを味わう。 だが、それでも創作活動は諦めない。 「おれはまだ学ぶぞ」と吼える、ゴヤ。 「裸婦ほど素晴らしい創造物はない」と語る、ルノワール。 “私の絵”を追求し続けた、ルオー。 絵画の囚われ人の、ピカソ。絵に憑りつかれた、若冲。 100歳を過ぎたらこの道の改革者になると嘯く、北斎。 彼らの長い人生は山あり谷ありだけど、 生涯現役を貫く心意気は、感嘆に価する。とにかく凄い!
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気になっていました。 現代のスターのように 短命の人もいるけど、 画家は長寿の人が多いな、と。 その人たちが晩年に何を描いたのか? その視点がとても面白かった。
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15人の長生きした画家たちの「晩年」にフォーカスを当てた一冊。 その作品と、その境遇、画業が紹介されている。 以下、読書メモ。 ・ゴヤ「わが子を喰らうサトゥルヌス」 宮廷画家。47歳で聴覚を失い、73歳の頃にマドリード郊外で隠居、最晩年はフランスボルドーに移住。 こちらは黒い...
15人の長生きした画家たちの「晩年」にフォーカスを当てた一冊。 その作品と、その境遇、画業が紹介されている。 以下、読書メモ。 ・ゴヤ「わが子を喰らうサトゥルヌス」 宮廷画家。47歳で聴覚を失い、73歳の頃にマドリード郊外で隠居、最晩年はフランスボルドーに移住。 こちらは黒い絵シリーズなる、社会や人間の闇を示唆する作品群のひとつ。 ローマ神話のサトゥルヌスが自分の息子に殺される運命にあるという予言に恐れ、生まれたわが子を次々飲み込んだという。 こ、怖い。。何度か目にしたことのある絵。部屋には絶対飾りたくない。だけどすごいインパクトで頭から離れない。 (他の黒い絵シリーズの作品も観てみたけど、どれもすごい闇を感じてゾッとした…) 80歳で描いた「俺はまだ学ぶぞ」は可愛いし、前向きな気持ちが伝わってきて好き。 ホントに同一人物が描いたのか?と思わせるほど。 ・ターナー 好きな画家です。 従来の風景画に用いられていた黒や褐色を抑え、白や黄色や赤を大胆に使った人。 一才年下の画家、コンスタブルにライバル人を抱いていた。 晩年も研究熱心。音学と美術の関係を詩で表現したり、光と色の研究を続けた。 ・ドガ 印象派グループを仕切っていたイケイケの時期もあったが、(後半は、独裁的な性格によりグループメンバーに反感を持たれたが) 晩年はほぼ視力を失っていた。 音楽に興味を持ち、日曜は教会でオルガンを弾いていた。ドビュッシー、サンサーンスと交流があった。 ・モネ「バラの小道 ジヴェルニー」 表紙のこの絵は、80歳を過ぎてから製作された。 白内障で苦しみ、こちらの絵は手術を受ける直前の作品。失明するかもしれないという不安に駆られる中で描いた。 睡蓮の連作は、水の波たちや花の揺めき、反射、景色の映り込み。移り行く難易度の高いテーマ。老いてなお、あえて難題に取り組んだ。 モネの寝室にはルノワール、セザンヌ他の絵画コレクションがかけられ、いつもここに訪れた客を案内した。同業者への尊敬の気持ちが表れていたという。 (こんなとこも好き!) 料理も得意で彼のレシピも残されている。 生涯、モネは自分の画風を変えなかった。セザンヌなどには「同じ目で描き続けた」と言われていたようだが、周囲で様々な変化がある中、揺らぐことなく、貫き通すところも勇気だと私は思う。 ・色彩の魔術師マティス 72歳の時、腸の手術をする。その後、体力が消耗し、切り紙絵という手段を用いるようになった。 絵の具もパレットもいらず、ベッドの中で作業しやすいからとのこと。 彼は生涯休むことなく仕事をしていた。 ・ルオー「ピエロ」 時代遅れと言われても、キリスト教主題やピエロ。同じテーマを晩年も描き続けた画家。 フォーヴィズムで同じモローの門下生、マティスと仲が良かった。 ・ピカソ キュビズムと呼ばれたかつてない表現を確立したピカソは、91歳で亡くなった。 晩年、彼は若さを失った自分の姿に落胆していた。 ピカソはマティス、シャガールにライバル心を抱いていた。 ・シャガール ピカソのライバル、シャガールは97歳に亡くなった。長生き!! フランスに進出し、パリの展覧会で発表した「私と村」は、 プライベートな思い出や、人間や動物などあらゆる生命を共通の絆で結びつけるといった考えをベースにしながら、大胆な構図やユニークな色彩感覚を打ち出した。 さまざまな芸術活動に触れながらも、留まらず横断した人。 だが、晩年は「ふんわりしたタッチに明るい色調。花やサーカスの楽しいモチーフ」といった確立したスタイルに安住。それは、「彼自身の辛い思い出からの護身術」とも著者は評している。 ・若冲、横山大観、北斎ら日本の浮世絵画家たちも80代まで長生きした。 ・熊谷守一。 97歳で亡くなる一年前に「アゲ羽蝶」を描いた。 「モリ」との愛称で、無欲で心優しく穏やかな性格の画家だった。ゆったりと自分らしい画風を貫いた。 この人の画風好きだな!可愛い。もっと知りたいと思った。 晩年というテーマの設定がユニーク。 画風の変化がある画家も、スタイルを貫いた画家もいる。 一部のある名画だけを切り取るのではなく、生涯を通して画家を知っていくとまた面白い。
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