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椎葉村尾向 秘境の歳月 山里の生活誌
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椎葉村尾向 秘境の歳月 山里の生活誌

尾前秀久(著者), 須藤功(編者)

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椎葉村尾向 秘境の歳月 山里の生活誌

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 鉱脈社
発売年月日 2019/06/29
JAN 9784860617271

椎葉村尾向 秘境の歳月

¥3,960

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2019/09/10

・尾前秀久著「椎葉村尾向 秘境の歳月 山里の生活誌」(鉱脈社)は 編集を民俗写真家の須藤功氏が担当してゐる。須藤氏は椎葉をずつとフィールドとしてきた方である。適任であらう。帯に「すべては、『焼畑体験学習』から始 まった。」とあるが、これは須藤氏のことをいふのではないかと思ふ。この...

・尾前秀久著「椎葉村尾向 秘境の歳月 山里の生活誌」(鉱脈社)は 編集を民俗写真家の須藤功氏が担当してゐる。須藤氏は椎葉をずつとフィールドとしてきた方である。適任であらう。帯に「すべては、『焼畑体験学習』から始 まった。」とあるが、これは須藤氏のことをいふのではないかと思ふ。このあたりの事情を須藤氏は「初めて尾向を訪れたのは平成二十三年(二〇一一)云々」 (28頁)と書いてゐる。「宮崎駅まで席を同じくした甲斐氏は椎葉村についてのいろいろな話をしてくれましたが、『子ども焼畑体験学習』を聞いたとき、写真を撮りたいと強く思いました。」(同前)さうして「尾向から帰宅してしばらくすると、当時の尾向小学校校長の中原淳一氏から封書が届きました。」(29 頁)焼畑の案内であつた。さうして、「それから毎年、七月末ごろの火入れと種蒔き、秋の運動会、そばの収穫と収穫祭」(同前)等には「できるだけ訪れるようにしてい」(同前)るといふ。その成果と思はれる写真も多く使はれ、須藤氏の行事と本書に対する思ひが伝はつてくる。実際、この焼畑体験学習の記述だけとつても本書は貴重である。子供達の山の神に火入れを行ふといふ唱へ言の写真がある。かういふことも行ふのである。これらを含めて、焼畑の手順が写真入りできちんと説明されてゐる。焼畑関係の書は他にいくつもあるはずだが、子供主体の焼畑は他にはない。当然である。焼畑は本来生活する大人のためのものであつた。子供の学習のためではない。ただ、かうして子供達が焼畑を行へば、大人も手伝ふことにより、結果的にその技術が伝へられることになる。世界遺産にな つてゐる焼畑である。椎葉村はそれを行ふやうな土地なのだと改めて思ふ。 ・本書の中心は焼畑にある、と私は思ひたいのだが、実際はさうではない。書名にあるやうな「山里の生活誌」が本書の中心である。といふより、正に「椎葉村 尾向誌」が本書である。あくまで生活誌を書いてゐる。焼畑や神楽はその中心あたりにあるが、決してそれだけではない。まづ自然と歴史を書き、次いで道、狩 り、木材、食べ物、年中行事、神楽、学び(学校)、そして民話と書き続ける。「村誌」との絡みで一部に省略があるらしく思はれる。個人的には、重複も厭はずにそれもきちんと載せてほしかつたと思ふ。しかし、それを補つてあまりありさうなのが神楽である。宮崎県の山の中には多くの神楽がある。「椎葉村内では 今も二十六もの集落で神楽が続きます。一つの村で、あるいは市や町でこれだけの数の神楽を伝えるのはたぶん、椎葉だけでしょう。」(240頁)その尾向には4つの神楽がある。それを、皆きちんと書いたら大変である。ここではその代表として尾前神楽が採り上げられてゐる。最初に4つの神楽の次第を載せ、「神楽を支える人びと」について書く。ここに「尾前神楽もやはり神楽宿は民家でした。」(同前)とある。現在は「尾前下の家並みの間に建てた拝殿」(同前)が神楽宿である。それは変はつた結果である。「戦後も十年を過ぎるあたりから、神楽宿を受けるのはきついという風潮になり、神楽をする方も迷惑はかけられな いということで、拝殿が建てられ云々」(242頁)とある。いづこも同じであらうか。花祭と同じ頃に個人の神楽宿は変はつていつたのである。その代はりこの神楽宿、ずいぶん使ひ勝手が良ささうである。神楽用に考へたのであらうから、それも当然であらう。かうして神楽の神迎へから神送りまでの次第が並ぶ。 30番もある。一晩かからうといふものである。かくして本書は尾向誌としてある。子供達の焼畑が、こんなことを言ふと叱られるが、楽しい。

Posted by ブクログ

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